2018-09-29 No.295
どうも、モーリーです。
釧路市で北海道庁による
エゾシカジビエ利用拡大推進事業
説明会に参加してきました。
要は
「狩猟したジビエを皆で食べよう」、
「ジビエにしたら一頭当たり8000円あげるよ」、
って話です。
その説明会の中で
シカやイノシシによる
農林業被害の軽減、
希少植物群落等の食い荒らし対策
などを主な目的として、
シカやイノシシを5年で半減
させる事業を始めるとのこと。
計画自体は10年ほど前から
あったのですが、
今回は本気度が違います。
この計画の旗振り役は
環境省。
北海道だけではなく
内地でもニホンジカやイノシシを半減
させる計画のようです。
※内地とは本州四国九州のこと
私はハンターです。
狩れと言われれば狩りましょう。
しかし、そんなに狩って大丈夫なのか
気に掛かります。
『殺すための狩猟はしない。
食べるため、守るために狩猟する。』
それがモーリーの狩猟原則です。
モーリーの狩猟原則と
環境省の思惑は合致するのでしょうか。
今回は環境省が進める
指定管理鳥獣捕獲等事業
について紹介します。
指定管理鳥獣捕獲等事業の3つのポイント
[2018.9北海道釧路市 説明会が行われた釧路市生涯学習センターからの景観]
十勝帯広から
車で東へ走ること130kmほど、
時間にして2時間と少し、
港町釧路市に着きます。
ここでハンターを対象とした、
エゾシカのジビエ利用に関する
説明会がありました。
そこで国(環境省)による
ニホンジカ(含むエゾシカ)とイノシシの
個体数を5年間(2023年)までに
半減させる事業を知りました。
同時に、
狩猟個体のジビエ利用量を
来年2019年までに
倍増させるとのこと。
最初聞いたときは無理でしょう…
と感じました。
指定管理鳥獣捕獲等事業を
なぜ進めるのか、
3つのポイントをまとめました。
1.鳥獣による被害の現状
[2018.1北海道十勝 エゾシカによる針葉樹の樹皮食害]
近年、日本では
シカとイノシシが生息数を増やし、
分布を広げています。
その結果生態系や農林業に
多くの影響がでています。
植物を食べつくす、生態系への影響
増えたシカやイノシシは
国立公園などの自然公園の
草原や林床の植物群落を食べつくします。
中には希少植物も含まれます。
植物に依存する昆虫や野鳥への影響、
美しい景観の損壊、
地肌が出ることによる土地流出
などの被害が出ています。
農業被害額40億円
農業被害の増大などの被害を与えます。
これは農業が盛んな北海道ではよく聞く話で、
北海道だけで40億円(2017年度)の
農業被害額がでています。
主に農作物が食べられるという被害です。
2.拡大する分布 増加する頭数
[2017.9北海道知床 エゾシカたちが草を食べている様子]
拡大する分布
1978年から2014年の36年間に
ニホンジカは2.5倍に
イノシシは1.7倍に
その分布範囲を広げています
近年、
特に東北、北陸、北海道で
生息域を拡大しています。
爆発的に増える二ホンジカ
ニホンジカ(北海道のエゾシカを含まない)の
推定生息数は250万頭です。
この数は対策を取らなければ
2023年には1.7倍の
425万頭になると推定されます。
これ以上のシカの増加は
日本の生態系に深刻な影響を与えると
環境省は考え対策に乗り出しました。
3.増加する理由
[2016.6北海道十勝 春先に山にいたエゾシカの子供]
旺盛な繁殖力
ニホンジカは明治期の乱獲で激減し、
それ以降、捕獲が規制されてきました。
元々、繁殖力が強い動物で、
徐々に数を回復させてきました。
また、以下の要因も増加原因です。
・オオカミの絶滅
・気候変動による積雪の減少(シカの敵は大雪)
・田舎の過疎化による生息地拡大
・行政の対策の遅れ(2007年まではメスは禁猟)
・狩猟者の減少
ハンターの減少と高齢化
狩猟者も減りました。
1975年:51万人
2015年:19万人
十勝は若手農家が
自分の畑に出る
シカやキツネ、クマ対策に
狩猟免許を取る人は多いです。
一方で、猟銃を所持するためには
結構な手間とお金がかかります。
役所や警察署、猟友会への定期的な訪問、
猟銃の所持や維持、狩猟免許にかかる費用など。
若い方には銃を持ち続けるメリットは
あまりないかもしれません。
退職した公務員の方たちは
年金や時間もあるため、
猟師が多いのが現状です。
現に、地元猟友会の会長や駆除会の代表は
元市職員や学校の先生です。
参考文献
以下に参考にしたWebサイトを紹介します。
いま、獲らなければならいない理由-共に生きるために-(環境省)
10月1日から北海道でも猟期が始まります。
猟師たちの季節がやってきます。
したっけぃ