2018-9-30 No.296
どうも、モーリーです。
釧路市で北海道庁による
エゾシカジビエ利用拡大推進事業
説明会に参加してきました。
エゾシカを狩猟し、
ジビエとして皆で食べましょう。
5年で北海道にいるエゾシカの半数の
23万頭を狩りましょう。
事業を進めるために、
ジビエにしたら一頭当たり
手数料を8000円を支払いますよ、
という話です。
内地でも
同様の事業が開始されています。
環境省が旗振り役になり
各都道府県が運営・運用し、
実際にはハンターたちが狩猟する流れです。
日本中のハンターたちが
半数も狩られるシカやイノシシに
憐憫の情をもよおすと共に
武者震いしていると思います。
今回は北海道で進められる
エゾシカジビエ利用拡大推進事業
について紹介します。
エゾシカジビエ利用拡大推進事業
[2018.9北海道釧路 エゾシカのメス 雌阿寒温泉の山林にて]
2023年までに22.5万頭捕獲
エゾシカジビエ利用拡大推進事業とは、
北海道に生息するエゾシカ45万頭の内、
半数の22.5万頭をこの5年間で狩猟し、
積極的に食用として利用しようという事業です。
短期間の間に、それほどのエゾシカを
狩って良いかと疑問を持つと思います。
その辺りは前回の記事で環境省の立場を
記しましたのでご覧ください。
参考:
【鳥獣捕獲事業 1】ニホンジカ250万頭を半減へ 環境省が怯える3つの課題
捕獲数毎年10万頭以上
5年間で22.5万頭も狩るなんて
途方もない事業だと
思われるかもしれません。
しかし、北海道では毎年10万頭以上の
エゾシカが捕獲されています。
2017年には
120,413頭が捕獲されています。
5年で23万頭の捕獲とは、
非現実的な数字ではなく、
案外普通の数字です。
ただし、この数字には
狩猟捕獲と有害駆除捕獲という
数字のレトリックが含まれています。
狩猟と有害駆除
[2018.3北海道釧路 若いオスのエゾシカ 狩猟により獲る]
2017年に120,413頭が捕獲されました。
捕獲するには二つの方法が必要です。
一つは狩猟。
二つ目が有害駆除。
上記の数字は
この二つの方法での捕獲数を足しています。
狩猟は秋から春にかけて解禁される、
猟期内に国立公園や鳥獣保護区以外で行われる
猟を指します。
有害駆除は季節関係なく、
ある程度の経験がある人が、
自治体や地元農家からの依頼で
鳥獣を捕獲することです。
120,143頭の内訳は、
狩猟が38,635頭
有害駆除が81,778頭。
有害駆除による捕獲数が倍以上あります。
北海道では猟期は基本的に
雪の中で行われます。
移動の制限がどうしてもかかります。
一方で、有害駆除は雪のない季節でも
林道を走り車で移動できるため、
機動力による差がでます。
なお、狩猟は食べるためにとる人が多く、
回収できなさそうな状況、
例えば、川や崖を挟んで向こう側にいる
などの獲物は無視する傾向があります。
また、有害駆除は殺処分を目的としているため、
見つけたら回収できなさそうでも撃ちます。
そういう差もあります。
一部除外地区について
今回の捕獲事業では
南部(後志、渡島、檜山支庁)を除くとされています。
南部には2-10万頭のエゾシカがいるとされ、
実数もよく分かっていないことから、
今回の事業は実施されない地区になりました。
蛇足ですが、
後志、渡島、檜山を、
内地の方は知らないかもしれませんし、
読み方も分からないでしょう。
後志は「しりべし」、
渡島は「おしま」、
檜山は「ひやま」と読みます。
後志は小樽、俱知安町、ニセコ町など。
渡島・檜山は、函館市、木古内町など。
俱知安町やニセコ町には仕事で行きますが、
エゾシカは多い印象があり、
南部全体では10万頭以上いる気もします。
南部はハンターが少なく、
エゾシカの生息数を把握できないのかもしれません。
エゾシカの生息数調査は
ハンターからの聞き取りが
重要な情報ですので。
ジビエの利活用の推進
[2018.9ジビエ エゾシカ肉をローストしたもの]
先日の北海道地震で停電したので、
冷凍庫のシカ肉が解凍されてしまい、
ローストしました。
今年の3月に獲った
エゾシカのモモ肉でしたが、
解凍したものでも、
臭みもなく、
美味しく頂きました。
狩猟によるジビエ率は27%
狩猟によって捕獲されたエゾシカが
食用に回るのは27%です。
あとは自家消費やペットフードか廃棄です。
廃棄とペットフードは合わせて16%なので、
ほとんどが自家消費されています。
自家消費とは自分で食べるか、
友人知人にあげることです。
私ももっぱら自家消費です。
この事業ではその食用の27%を54%まで
上げようとしています。
エゾシカを23万頭狩るよりも、
ジビエ利用拡大の方が難しいでしょう。
なぜなら、
多くの人が美味しいシカ肉を
食べていないため、
シカ肉を不味いものと認識しているからです。
下手な人から貰うシカ肉はネコも喰いません。
ハンターさんからシカ肉を貰う人は
北海道では多いでしょう。
もしその肉が美味しくないなら、
そのハンターさんの解体処理が下手なのか、
時間が経ってしまった肉なのか、
どちらかでしょう。
狩ってその日の内にステーキする
エゾシカ肉は最高です。
あまりオススメできませんが、
生食も本当に美味しいです。
みずみずしさと本当の肉の味。
エゾシカジビエ利用拡大推進事業
により、貴方の食卓にも今年は
エゾシカが並ぶかもしれません。
その時は どうぞ、
味わって食べてみてください。
したっけぃ