2016-05-25 No.121
ワラビ採取
「北海道十勝 ワラビ 食べごろ。足元に生えかけのワラビの姿も」
春を代表する山菜のギョウジャニンニクやタランボたちの旬が終わりを迎えた頃、北海道十勝ではエゾハルゼミが鳴き始めます。
そんな頃に、ワラビが採れ始めます。
ワラビもまた、ギョウジャニンニクやタランボ、フキのように山菜の代表選手といえます。
ワラビを採ってきたので、今回はワラビを紹介します。
英語で"bracken"。
欧米でも食べられているようですよ。
日本でも昔から食べられていました。
上手く灰汁抜きできたワラビはシャクッシャクッとした食感で美味しいですよね。
私はメンつゆに一晩ほど漬けて食べるのが好きです。
マヨネーズでも美味しく食べられますね。
ワラビのある場所
「北海道十勝 食べごろのワラビ」
山菜として有名なワラビはシダの仲間です。
大きく生長するので、ワラビの枯れ葉を探すと効率よくワラビを探すことができます。
後は比較的日当りが良くある程度乾燥している場所にある印象を持っています。
ワラビを探すポイント
・去年のワラビの枯れ葉がある場所
・日当り良好。木漏れ日なども可
・シメシメしていない土地
十勝ではこんな場所に生育していますが、本州などではまた変わってくるのでしょうか。
アリを集める蜜
「北海道十勝 ワラビに群れるアリ」
ワラビを採っているとワラビの上をアリが歩いている状況をよく見かけます。
実はこれ、ワラビが蜜を出しアリを集めているのです。
アリがワラビに集まることで、ワラビを食べようとする毛虫などを遠ざける目的があるのです。
毛虫はアリが怖いですからね。
毒性
「北海道十勝 ワラビの足元に毒草スズランたちも生育している」
蜜でアリを誘因するとともに、ワラビは毒を持って自分を守っています。
毒とはタンニンとビタミンB1を破壊する酵素です。
私たちが食べる時は灰汁(あく)抜きをすることで、渋みと取り除きますが、それら毒成分も抜いています。
ワラビを食べた馬や牛、羊がワラビ中毒を起こすこともあるようです。
救荒食物
「北海道十勝 食べごろを逸したワラビ このくらい生長すると茎が固くなり食べ難い」
江戸時代などで飢饉が発生した時にワラビやクズ、木の実などが庶民の命を繋いできました。
このように飢饉や災害が発生した時に利用される食物の事を「救荒食物」と呼びます。
私たちが今こうして生きているのも、ワラビを食べて飢えを耐え忍んだ先祖たちがいたからかもしれません。
先祖たちの窮地を救ったワラビに感謝していただきたいと思います。
エゾハルゼミの鳴く頃に、ワラビは採れます。
ひぐらし、ではないからね…
したっけぃ