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ハンター日記

オジロワシ ユーラシア大陸を洋々と飛翔する猛禽類

更新日:

2015-12-16 No.48

 

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北海道のオジロワシ

十勝には天然記念物の鳥類タンチョウやシマフクロウ、オオワシ、そしてオジロワシがいます。
昨日紹介した天然記念物のオオワシに続き今日も天然記念物のオジロワシの紹介です。
オオワシはオホーツク海周辺に生息しますが、オジロワシはユーラシア大陸をまたにかける猛禽類です。

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生態

大きさ

whitetailseaeagle「十勝川で撮影したオジロワシ。尾の白い様がはっきりと見て取れる」

全長(くちばしから尻尾まで)が70~100cmです。
翼を開くと180-240cm。
体重3-7kgです。
オオワシよりは若干小柄になります。

ちなみに、鳥の全長は、くちばしの先端から尾羽根の先端までです。
ですので、くちばしの長い鳥、尾羽根の長い鳥が大きくなってしまいます。
鳥の大きさを全長でイメージすると、実際見たときのイメージと違う時あると思います。
あくまで参考の数字としてとらえておいてください。

日本で最大の全長をもつ鳥(野生)は、もちろんタンチョウです。
世界で最大の全長を持つ鳥は、ダチョウで、約280cmほどあります。
体重も私より重く、100kgです。
飛べる鳥ならば、アンデスコンドルやワタリアホウドリが翼開長が300-365cmと最大です。
最少はマメハチドリの5cmと2g(?!)です。

さて、鳥類は恐竜の生き残りです。
6500万年前の隕石の衝突イベントを乗り越えた唯一の恐竜の子孫です。
今度詳しく紹介できればと思います。

寿命

オジロワシの寿命は野生の中では20~25年と言われています。
長野県にある動物園で、41歳(推定)まで生きたオジロワシがいました。(2013年死亡)

生息地

whitetailseaeagle「十勝川で撮影したオジロワシ。距離があり、やや不鮮明」

オジロワシはユーラシア大陸で広く生活しています。
繁殖はユーラシア大陸の北部で行い、越冬は中華東部や日本北海道、ペルシャ湾周辺などで行います。
十勝川では、夏でも見かけますので、一年中十勝にいる個体もいるのでしょう。
海岸、河川、湖沼などに生息します。

オジロワシの数は全世界的に20000-49999羽いると推測されています。
内、北海道で1700羽程度が越冬していると考えられています。
ちなみに、オオワシもオジロワシも世界的に見て数は微増しているとの報告があります。

食性

食性は動物食で、魚介類、水鳥などの鳥類、アザラシの子供などを食べます。
十勝川ではサケのホッチャレ(死骸)を食べる姿が見られます。

繁殖

高い木の樹上や断崖に木の枝を組み合わせた巣を作ります。
春に卵を産み、メスが40日程度抱卵し孵化します。
夏前頃にで飛翔できるようになり、夏になる独立します。
生後6-7年で成鳥になります。
この記事の写真のオジロワシは大きさは成長並みですが、羽の感じからまだ成鳥になっていないオジロワシだと思われます。

オオワシとオジロワシの見分け方

whitetailseaeagle「オジロワシ:色もやや茶色い」

stellersseaeagle「オオワシ:色は白と黒。尾と羽の前方が白い」

大きさは似ていますが、幼鳥でなければ、しっかりと見ることができれば一発で分かると思います。
オジロワシ(上):オオワシと比較して黒っぽい茶色の羽をまといます。尾が白く、尾の白さが印象的な鳥です。くしばしの色もオオワシに比較してやや薄い。
オオワシ (下):白と黒の羽をまといます。尾と羽の上(前)側も白くなっています。
上下の写真を比べたら違いが分かると思います。

バードストライクの問題

風量発電の大きな風車があります。
あの風車にぶつかって死んでしまうオジロワシがいます。
飛び方の違いから、オオワシよりもオジロワシが風車の被害になるケースが多いのです。

オジロワシの風車による被害:
2003-2013 32件(引用:風力発電の環境影響評価と海ワシ保護に関するフォーラムより)
一年間で3件程度と思ったより事例数が少ないので、対策の必要がないのではないかと感じてしまいました。(実数はもっと多いと思いますが。)

それよりも、バートストライク対策費や関連フォーラムに使用するお金を使用してオジロワシやオオワシの生息しやすい環境の創出にお金を使った方が良いかもしれません。

"audubon"という、USAで最大の自然保護団体は、鳥類の生息環境にとって、風力発電より気候変動による脅威が深刻であるため、風力の温暖化抑制効果を認めているとの報告もありました。

オオワシもオジロワシも生態系の上方にいる、威厳ある雄大な生物です。
その姿がは本当に凛々しく美しいものです。
その数を増やしていきたいですね。
今度はもっと良い写真で紹介できればと思います。

寒い毎日ですが、北海道の生物たちはもっと寒い中で生活しています。
東京や大阪で、CaliforniaやDelhiで、電車や地下鉄の中でこの記事を読んでいる方がいらっしゃいましたら、ちょっとだけ北海道やロシアの厳しい寒さの中で生き抜いている生物に思いを致してみてください。

前回の氷河期が終わって12,000年以上が経過しています。
次の氷河期もそろそろやって来ると思います。
暖かくしてお過ごしください。

したっけぃ

 

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  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

-自然, 鳥類
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