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ハンター日記

探検@知床 知床岬トレッキングその2 ヒグマの住処

更新日:

 

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2017-09-01 No.210

知床先端部の日帰りトレッキング

どうもモーリーです。
今回は知床半島の先端部に行ってきたときの様子を紹介します。
知床半島の羅臼町側(南側)を海を見ながらで走り行き止まりまで行くと知床岬への入り口にたどり着きます。

場所はここ

ここから先は知床の豊かな生態系を保全するため人の出入りが制限され、道路も道もなく、野生動物の住処となります。
立ち入る際も、知床財団が管理する情報拠点への事前連絡やヒグマの情報などについてレクチャーを受けることが努めとされています。
詳しくは以下の記事を参照ください。
参考:
探検@知床 知床岬トレッキングその1 ルサフィールドハウス

 

番屋

番屋 知床 漁師 羅臼昆布[2017.8.30北海道知床 番屋 知床の漁師たちが漁期の間に泊まったり作業する建物]

知床岬へ至るルートを進むと、最初に現れるのが漁師たちが漁期の間(7月−11月頃)泊まったり作業したりする建物です。
「番屋」と呼びます。
ルートの最初の方では、その番屋が番屋街ともいえるほどに立ち並んでいます。

知床 昆布 番屋 石[2017.8.30北海道知床 番屋の前の石原 この石の上で昆布を干す 石は裏手の崖から供給されている]

番屋の前は漬け物石大の石が一面に広がっています。
昆布を干す場所です。
知床の羅臼町は昆布が有名で、羅臼昆布は高級食材となっています。

この石の道を延々と歩くのですが、足首をもって行かれそうになり、歩き難い路面状況です。
そんな番屋を横目に、石の上を30分ほど歩くと番屋が途切れ、前に広がるのは野生の王国です。

ヒグマの住処

知床 知床岬 景色 岸壁[2017.8.30北海道知床知床岬 景観 海岸線のすぐそばに大きな崖がある この景観が知床の多様性を象徴する風景といえる 遠くに番屋が見える]

番屋を抜けると、海岸線のすぐそばに大きな崖が目立つようになります。
海と山、そしてその崖から流れる川が一体となっているこの地形形状が知床の豊かな生態系を育んでいるといえます。
ヒグマは知床半島にあって、海の恩恵であるクジラやイルカ(シケにより時折海岸に打上る)、山の恩恵であるドングリやコクワやヤマブドウ、川の恩恵であるサケマスを享受できます。
この環境こそが、世界で最もヒグマの生息密度が高い環境を維持できる秘訣なのです。

ヒグマ 糞 知床 大きさ 臭い[2017.8.30北海道知床知床岬 ヒグマの糞 内容物は植物性由来のものが多い この日は10カ所でヒグマの糞を見つける]

番屋通りを抜け、すぐにヒグマの糞を見つけました。
糞の内容物を調べてみると、植物由来のものが多い。
9月以降はサケマス由来の動物性由来の成分も含んでくるでしょう。
8月はヒグマにとって試練の月です。
植物性の植物だけでは腹を満たせず飢餓となり、餓死する個体も見られます。
餓死するのは子供が多く、自然に生きる厳しさを思います。
9月になりドングリやコクワ、ヤマブドウが実をつけ、サケマスが遡上してくると一安心。
それらをたっぷりと食べて、今度は冬眠に備える栄養を蓄えなければなりません。

 

糞虫の役割

ヒグマ 糞 新しい 臭い[2017.8.30知床知床岬 ヒグマの糞 まだ新しく、かすかに暖かさも感じる]

ヒグマ 糞 フンコロガシ[2017.8.30知床知床岬 ヒグマの糞と糞虫(フンコロガシなど) 糞をエサとするコガネムシの仲間 生態系の循環を担う大切な虫]

さらに道を進むと今度は新しい糞を見つけました。
新しい糞ですが、植物由来の食事をしているので、あまり臭くありません。
ちなみに、ヒグマの糞は食べるものにより臭いが変わります。
コクワやヤマブドウを食べているヒグマの糞はワインの様な香りがします。
サケマスを食べているヒグマの糞はとてもクサい臭いがします。

糞を見てみると、周りにはワラジムシ、中には糞虫がいました。
糞虫はフンコロガシやスカラベがファーブル昆虫記で有名ですが、要はコガネムシの仲間です。
彼らのようなお掃除屋さんがいることで、ほ乳類の糞の分解が進みます。
植物が『生産』し、私たちほ乳類などが『消費』し、虫や微生物などが『分解』します。
糞虫たちは生態系の輪の中にあって、この分解を担う大切な役割をしているのです。
また、糞虫たちは、ほ乳類などの糞から植物の種子を方々に運ぶ役割も担っています。

余談ですが、古代エジプトではスカラベは太陽を運ぶ神聖な虫とされていました。
私は東京の古代オリエント博物館でスカラベのペンダントを購入しました。
神話・古代の世界を知る面白い博物館です。
貴方も訪れてみてはいかがでしょうか。

 

知床 海岸 風景 崖[2017.8.30北海道知床知床岬 ヒグマの糞があった場所 この様な崖がいたるところにある]

この日はヒグマの糞を10カ所で見つけました。
一日でこれほどの数のヒグマの糞を見つけたのは、初めてのことです。
残念ながら、ヒグマの姿を見ることはできませんでした。

しかし、新しいヒグマの糞があることからヒグマが近くにいることはわかります。
また、ヒグマの気配もしていたので、ヒグマの方は私のことをジッと観察していたのだろうと思います。

次回は、知床岬トレッキングで出会った知床独特の景観を紹介予定です。

北海道はサケマスの遡上が始まり、秋を迎えています。
貴方の町はいかがでしょうか?
風邪など引かぬよう、暖かくしてお過ごしください。

関連記事:
探検@知床 知床岬トレッキングその1 ルサフィールドハウス

探検@知床 知床岬トレッキングその3 海岸線と海鳥の巣

したっけぃ

 

 

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  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

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