2019-11-01 No.489
お仕事お疲れ様です。
北海道十勝のハンターモーリーです。
今回の内容は閲覧注意記事です。
エゾシカの死体画像を載せています。
モザイクをかけていますが苦手な方はご注意ください。
狩猟で山に入った
前回の続きです。
狩猟方法は忍び猟といって、
山の中を獲物の痕跡を探しながら
獲物を追跡する猟です。
エゾシカを追っている最中、
3頭のエゾシカを後方に発見!
前回記事:
忍び猟の実際 痕跡を追い、歩き、待ち、音に集中
銃声二発
およそ50m先の林内のササ原を
3頭のエゾシカが山手より降りてきます。
私に気付いていません。
3頭はそのまま坂を
歩いて下りていきます。
私がエゾシカの死角に入ってから
レミントンM870を構えます。
坂の下で距離60-70m。
先頭のオスを狙います。
私の方にお尻を向けて
一瞬動きが止まりました。
狙うは首。
半秒ほど逡巡するも
「ドン!」
命中。
オスはその場に倒れる。
足をピクピクさせる。
残りの2頭は慌てて
逃げます。
一頭がこちらに向かって
逃げてきます。
私と一瞬目があったように感じました。
翻ってお尻を向けて逃げ出します。
再び逡巡。
「二頭も獲ったら解体と運ぶのが大変だ。
それにメスだ。あまり殺したくない。」
先輩猟師のセリフ
「撃った後に考える。」
が頭をよぎります。
距離50m。
ガチャと弾を装填。
「ドン!」
2発目も命中し、
その場で倒れる。
もう一頭はすでに遠くに逃げ、
私の射程では無理な距離です。
「これで十分だ。」
「2頭獲った。
一人で解体と運搬、大丈夫かな?」
そんな事を思いました。
リュックサックから水筒を取り出し
紅茶を一口飲みます。
一呼吸いれます。
坂を下り
近くで倒れた、
二番目に打った
メスジカを確認。
美しいメスです。
弾がお尻に命中し、
まだ息はありました。
私が近づくと足を少し動かします。
手を合わせます。
場所が分からなくなるのを防ぐため
目印に帽子を近くの枝に掛け
次に最初に撃ったシカを探します。
自分で撃ったとは言え
林内で倒れている獲物を探すのは
結構難しいものがあります。
複数獲った時は
それらの場所を分かりやすく
帽子などで
マーキングすると便利です。
少し探すと、最初のオスジカは
40mほど離れた場所に倒れていました。
一瞬動いたように見えましたが、
弾は首を撃ち抜いており、
ショットとして最高の一撃です。
ほぼ即死で、
あまり苦しませず、
内臓も傷がついていません。
その死に手を合わせます。
師匠の言葉「首と頭を狙え」
[2019.10北海道釧路 首のあたりが血に染まる]
美味しい鹿肉を食べるには
頭や首を狙う必要があります。
理由は弾が体に当たると
内臓が血まみれになり、
鹿肉は美味しくなくなるからです。
師匠に言われたのは
エゾシカを狙う時は
「首と頭を狙え」ということです。
「はいっ」と言いつつも、
「そんなの無理ですよ…」
と内心思っていました。
胴体なら狙える場所も広いですが
まして動いている獲物の
首や頭をピンポイントで
狙うのは困難です。
[2019.10北海道釧路 弾が貫通した首の辺りが赤く血に染まる]
とは言え、
私がエゾシカで一番好きなのは
シカタン(鹿舌)です。
頭をヒットしてしまうと
シカタンも粉砕されてしまうこともあるため、
狙うなら頭より首だよなぁ、
と思っていました。
今回は一発目のオスジカは
しっかりと首、
ネックショットで仕留めることができました。
運が良かったです。
二発目のメスジカはお尻でした。
こちらは慌てて逃げていたので、
首を狙う余裕はありませんでした。
二頭とも半矢※にせず、
一撃で仕留めたのは
自分でも驚きです。
師匠の言うように
ネックショットが撃てた事、
半矢にせず仕留められたのは
本当に幸運でした。
※半矢
弾が当たるも、
仕留めるほどの致命傷を与えられず
獲物が逃げてしまう状態
昨シーズンは
恵庭市で発生した
誤射事故により
北海道は狩猟自粛ムードでした。
私自身も3回ほどしか
猟に行けませんでした。
関連記事:
2018.11北海道 恵庭猟師誤射事故 なぜ誤射が?事故の経緯と猟の現場
今回は一日で
オスメスの二頭が獲れました。
今シーズンを
幸先が良いスタートで切れました。
獲物を獲れるのは何よりですが
安全で事故がないように
努めていきたいと思います。
貴方にとっても良き冬でありますように。
したっけぃ