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ハンター日記

馬と共に歩む北海道開拓史

更新日:

2019-01-30 No.364

十勝馬場[北海道十勝 引退したばんえい競馬の競走馬は引退後に地元の観光に貢献している]

どうも、モーリーです。 

十勝の中心都市帯広市では
夏の間、歩行者天国が実施されており
ばんえい競馬の引退した競走馬が馬車を引いて
人々を楽しませています。

世界で唯一のばんえい競馬を、
旭川も岩見沢も北見も撤退したばんえい競馬を、
なぜ帯広市は赤字覚悟で存続させ、
市民はそれを支持しているのか。

その理由は開拓の歴史に遡ります。

北海道の開拓は農耕馬と共にあり、
農耕馬への感謝の気持ちを
ばんえい競馬存続という形で表していると思っています。

かつては100万頭がいた農耕馬などの大型馬が、
現在は年間生産頭数3000頭ほどまでになりました。

帯広までばんえい競馬から撤退すれば、
農耕馬の火は完全に絶たれてしまいます。

 

北海道開拓史を支えた農耕馬たちを紹介します。

 

本記事の内容

・赤べえ 旋丸巴・谷歩

・北の国から 笠松のとっつあんと馬

・叔父の馬

 

 

『赤べえ』旋丸巴・谷歩

北海道の馬[北海道十勝 近所の乗馬クラブの馬たち]

『赤べえ』とは
作者:旋丸巴(つむじまるともえ)さんと
挿絵:谷歩(たにあゆみ)さんが作成した絵本で、
2004年に全道の小学校に配布されました。

残念ながら一般では購入できません。

物語は1960-70年代の北海道の農家が舞台です。

農耕馬の赤べえが足を痛め、作業が滞り収穫が減り、 
一家は赤べえを売りトラクターを買うことを決めます。

農耕馬は畑を開墾し、耕し、荷を運び、
開拓民と共に汗を流した家族のような存在です。

そんな農耕馬との別れを描いている作品です。

参考:
北海道の大きな馬たち

 

北の国から 笠松のとっつあんと馬

馬牧場[北海道十勝 山村の馬牧場]

北の国からというドラマがありました。

北海道富良野を舞台に、
北海道の自然と人の生活と成長を描いたドラマです。

そのドラマにでてくる富良野の開拓に人生を捧げた
笠松のとっつあんと呼ばれる老人が、
共に開拓の苦労をしてきた馬を売った時のセリフを引用します。

「馬はもういねえからな、今朝売ったんだ。
今頃はもう肉になってるじゃろ…。

あの野郎感づいたらしい。
今朝早く業者が連れに来るってんで, 夕べ御馳走食わしてやったんだ。
そしたらあの野郎察したらしい。

今朝トラックが来て馬小屋からひきだしたら,
入り口で急に動かなくなって、おらの肩に首をこう、
幾度も幾度もこすり付けやがった。
見るとな、涙を流してやがんのよ。
こんな・・・大粒の涙をな。 

18年間おらといっしょに、それこそ苦労させて…、
用が無くなって、おらに言わせりゃ女房みたいなあいつ。

それから不意にあの野郎、自分から歩いてポコポコ踏み板ふんで、
トラックの荷台の上にあがってたもんだ。

あいつだけがおらと苦労を共にした。
あいつがおらに何言いたかったか…
信じてたおらに何言いたかったか…。」

引用:北の国から 15話

開拓農民とその農耕馬の関係を描いた
重いシーンでした。

開拓に苦労した祖父たちの
思いを形にしてくれたドラマ、
北の国からに感謝します。

 

参考:
戦後の復興も馬たちとともに

叔父の馬

私のオホーツクに住む叔父も赤字になりながら、
叔母や従妹から文句を言われながらも、
ずっと馬を飼っていました。

しかし、15年ほど前に赤字が重なり馬をすべて手放しました。

寡黙な叔父で、その時の詳しい話は聞いていません。

馬への感謝の気持ちがあったから、
馬を手放したくなかったのかもしれません。

叔父がどんな気持ちで馬を諦めたのか…。

狩猟の話を聞くのが好きな叔父なので
次に遊びに行く時は鹿肉と酒を持って
話を聞きにいこうと思います。

 

北海道の開拓の歴史は
馬なしに語れません。

土地を開く時にでる、
木の根や巨石を取り出す作業、
それらを邪魔にならないように運ぶ作業、
北海道の全ての畑地は馬と人たちが力を振り絞って
切り開いてきたのです。

そうして切り開いた土地を開墾し、
種を植え、今私たちは生活しています。

土地を切り開いた先祖と馬たちへの
感謝の心を失ってはいけません。

 

農耕馬からトラクターに代わり
馬が不要になり
今はほぼ、ばんえい競馬でのみ
その姿を見ることができます。

もし良ければ、
ばんえい競馬を応援してくれたら嬉しいです。

今はネットで馬券も購入可能です。

 

したっけぃ

  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

-その他, 哺乳類
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