2021-12-02 No.909
どうも、北海道十勝のハンター モーリーです。
北海道には1500羽ほどのタンチョウが生息しています。
ここ十勝でも時々出会えます。
釧路の鶴居村では昔からタンチョウに給餌しており、そのおかげもありタンチョウは絶滅の危機を脱し、今では順調に増えています。
そのタンチョウの給餌に関して、やや気になる動きがありましたので報告申し上げます。
タンチョウの現状
タンチョウ概要
種名:ツル目ツル科タンチョウ
学名:Grus japonensis
分類:絶滅危惧Ⅱ類(VU)、天然記念物
体長:全長140cmほど 翼開長240cmほど
分布:北海道、中国北東部、ロシア極東部
生息:主に湿地や湿原、川沿いに生息
生息数:3050羽(世界全体) その内半数以上の1650羽が北海道東部に生息
生息数の推移:
1924年:20羽弱
1966年:伊藤さんがデントコーン給餌を開始
1970年代:200羽
1990年代:600羽
2000年:伊藤さん81歳で死去
2005年:1000羽
2014年:1500羽
2021年:1516羽
参考サイト:
関連記事:
タンチョウの綱引き
上記のように釧路地方ではタンチョウは増加傾向にあります。
その増加したタンチョウの生息域を拡大させるために、現在では段階的に給餌の量を減らしています。
なぜか?
給餌を減らすことで、タンチョウが他の地域へ餌を探しに出ることになります。
そのことによるタンチョウの生息域の拡散を促すためです。
釧路から十勝、十勝から日高や石狩などへです。
十勝では以前からタンチョウの数が増えているので計画通りです。
しかし、今回釧路での給餌を減らす計画を環境省が撤回しました。
つまり、タンチョウの生息域拡大にブレーキを掛けるような決定です。
理由は分かりませんが推測してみると...。
給餌を減らすことで釧路や鶴居村の観光資源であるタンチョウが減少すること。
タンチョウ調査を生業とするグループの業務内容が変化し、その対応が間に合っていないこと。
タンチョウで飯を喰っていた人々と環境省の綱引きの様子が浮かんできます。
やや、絡み合った事情が推測できるこの給餌削減撤廃のニュースでした。
しかし、それでもタンチョウの生息域拡大は止まりません。
参考文献:
釧路から十勝、札幌へ そして津軽海峡を越えて生息域を拡大し続けるタンチョウ
ニオの設置
上記の画像は【ニオ】という餌場にタンチョウのつがい?が寄り添っている様子です。ニオの場所は十勝川の近くに設置しています。
釧路に多いタンチョウを他の地域へ拡散させるよう、このようにタンチョウを誘引する施設を設置してタンチョウの生息域を少しずつ拡散させています。
ニオの設置は環境省が音頭をとって地元の有志関連団体などがボランティアで設置しています。
私もそのボランティアの一員です。
ニオとは
これがニオです。このようにデントコーンの枯れ茎でコンポストを覆い、コンポストの中にデントコーンの実を入れています。
このようにコンポストの中から一定量のデントコーンが出るようになっています。
これをタンチョウが好きな川の近くに数か所設置して、釧路から十勝にタンチョウを誘引しています。
このような施設を粘り強く継続して設置することで、タンチョウの生息域を拡大させています。
タンチョウは釧路から十勝、札幌 そして津軽海峡を越える
このような活動が実を結び、ここ十勝でもタンチョウが越冬し繁殖しています。
そして、2020年には空知の長沼町でもタンチョウの繁殖が確認されました。
長沼町は札幌の目と鼻の先の町です。
北の大都市札幌周辺でも遂にタンチョウが見られるようになってきています。
タンチョウの生息域は確実に拡大し続けています。
いつかタンチョウが津軽海峡を越え、東北へと生息域を拡大していく日もくるでしょう。
私たち日本人に昔から親しむ物語『鶴の恩返し』の舞台は東北は山形県南陽市。
2045年にはタンチョウが物語の舞台、山形県南陽市に帰ってくるような気がしています。(なんとなく)
青森・秋田・宮城・山形県にかけての河川管理者は今から川の周辺にヨシ原が増えるような整備をしてお待ちください。
タンチョウが山形県に帰ったその時、鶴の恩返しをを期待しましょう。
したっけぃ