2016-06-04 No.128
タンチョウ red-crowned crane
「北海道十勝豊頃町6月 タンチョウの成鳥。若いタンチョウは頭が赤くない」
南十勝をドライブしているとタンチョウがいました。
場所は十勝の豊頃町辺りの畑地です。
タンチョウは明治期には絶滅したとまで考えられていましたが今では1500羽以上までその数を増やしています。
釧路や根室地方に多いのですが、近年は十勝でも見られるようになってきました。
釧路や根室では飽和状態となり、十勝へ進出してきた形です。
オホーツク海沿岸や道北への進出も進んでいるとの話も聞きます。
「北海道十勝豊頃町6月 タンチョウ 頭が赤くないことから若いタンチョウ。奥も若いタンチョウ。上記の写真とは同じ豊頃町ではあるが違う場所で撮影」
長生きの瑞鳥とされ、日本では古くから愛されてきた鳥です。
『鶴の恩返し』という物語があることからも、昔は本州にも生息していたのでしょう。
今回は特別天然記念物タンチョウについてお届けします。
英語では"red-crowned crane"【赤い王冠の鶴】とか"Japanese crane"【日本鶴】と呼ばれています。
北海道でのタンチョウ生息数の推移 the number of cranes
「北海道十勝6月 タンチョウの頭の赤い部位は鶏と同じくトサカであり、羽毛ではありません。拡大するとちょっと気持ち悪い部位です…」
ここ十勝でも近年タンチョウの姿が見られるようになってきました。
以下にタンチョウの個体数調査の結果を記しました。
確実に増加しています。
釧路にはタンチョウの給餌場と呼ばれるタンチョウを対象とした餌やり場があるため、冬場でも安定してエサがあります。
そのことがタンチョウを絶滅から救い、そして個体数の増加につながっています。
1952年 33羽 1962年 172羽 1988年 424羽 2000年 740羽 2014年 1187羽 2016年 1320羽 |
引用:NPO法人タンチョウ保護調査グループwebsite、および、北海道新聞社websiteより
分布 distribution
「北海道十勝 若いタンチョウ 牧草地にて」
世界ではタンチョウは北海道の生息数を含めて2500-3000羽ほどがいるいわれています。
日本以外ではアムール川流域(ロシアと中国)に生息しています。
世界中のタンチョウの内、およそ半分が北海道に生息しているのです。
ロシアや中国では生息環境の悪化から個体数の減少が懸念されています。
北海道での保護活動がタンチョウの種としての存続にとって重要な位置を占めているといえます。
生態 about red-crowned crane
「北海道十勝 標識調査のためのタンチョウの足環」
タンチョウの中にはその生態や個体数の調査のために足環が付けられている個体がいます。
鉄製の足環は2005年以降に付けられた足環です。
その前までは黄色いプラスチック製でしたので、写真のタンチョウは比較的若い個体だと言えます。
分布 distribution
世界(ロシア、中国、日本):2500-3000羽
北海道:1500羽
寿命 life span
「ツルは千年 亀は万年」との言葉がありますが、実際のタンチョウの寿命は500年程度だといわれています…
すみません…冗談です…。
実際には、野生状態で30年程度だといわれています。
野生状態 30年程度
飼育環境 50年程度(最長で65年)
食性 diet
人間や熊と同じく雑食です。
水辺で餌を探すことが多い鳥です。
昆虫やザリガニ、カエル、タニシ、鳥の雛などの他にドングリなども食べます。
タンチョウの給餌場ではデントコーン(トウモロコシ)をあげています。
十勝はオジロワシやオオワシ、タンチョウなどが一か所で見られる、世界の鳥愛好家たちが憧れる土地です。
あなたも十勝に遊びに来た時には、厳しく美しい彼等彼女等を探してみてください。
したっけぃ
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