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ハンター日記

事故記録 2022年7月安倍晋三元首相暗殺事件 事件概要と猟友会会長の文春でのコメントについて

更新日:

2023-02-11 No.991

※2023.2.27追記 追記箇所:警視庁報告書(2023.2.26追記)

どうも、北海道十勝のハンターモーリーです。

2022年7月8日奈良県にて安倍晋三元首相が暗殺されました。

銃が使われた事件のためこのブログでも事故記録として記事を残したいと思っていましたが、時間だけが経過してしまいました。

同事件について、猟友会会長が週刊文春(2023.2.16号)上にコメントをしたと聞き、生まれて初めての週刊文春を購入。

なぜなら、銃を持ちエゾシカなどの人サイズの生物を狩猟する者として疑問があったからです。

「手作りの粗末なおもちゃのような散弾銃とも言えないような銃で命を獲ることができるのか?」という疑問です。

これは実際に銃を持ってシカやイノシシを獲っている猟師の方々も同様の疑問を感じているかもしれません。

ホントに山上の二発目でか?、と。

猟友会会長のコメントにその疑問の答えがあるのかもしれないと思い、近所のセイコーマートで週刊文春を購入し読んでみました。

 

同事件から218日が経過してしまいましたが、猟友会トップがコメントを出したので同事件について整理します。

 




 

事件概要

日時

2022年7月8日11時31分6秒06(一発目)
2022年7月8日11時31分8秒30(二発目)

 

場所

奈良県奈良市 近鉄大和西大寺駅北口から約50mに位置する交差点内

 

内容

2022年(令和4年)7月8日11時31分、安倍晋三氏(67歳男性)は選挙応援のための街頭演説を奈良県奈良市の近鉄大和西大寺駅前付近にて行っていた。
山上徹也(41歳男)が自作の散弾銃で背後から安倍氏に向けて2回発砲した。
自作の散弾銃とは3本の筒を銃身粘着テープで巻いた手製の銃で、一回の発砲で6発の鉛の球体が発射される構造だった。球体の大きさは不明。
1発目は11時31分6秒に発砲されるも外れ。安倍氏と山上被告との距離は7m。
その2秒後に2発目を発砲。両者の距離は5.3m。
2発目が安倍氏に命中し心肺停止状態になったとされる。
銃撃した奈良市在住の山上被告は奈良県警察によって取り押さえられ、11時32分に殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。

12:20、安倍氏は奈良県橿原市内の奈良県立医科大学附属病院高度救命救急センターへ搬送され蘇生措置を受ける。
16:55、妻の安倍昭恵氏が同病院に到着。
17:03、安倍氏は失血死のため死亡が確認された。

2022年7月11日、東京都港区増上寺において関係者のみで通夜が執り行われた。
翌12日に葬儀、告別式が行われ火葬された。喪主は妻の昭恵氏。

2022年9月27日、日本武道館において国葬が執り行われた。

 




 

週刊文春と大日本猟友会会長コメント

2023年2月10日、週刊文春が発売されました。
安倍氏暗殺についての検証記事です。
そして、大日本猟友会会長である佐々木洋平氏の同事件についてのコメントもあります。

要点だけ整理します。

 

週刊文春 安倍元首相暗殺徹底検証「疑惑の銃弾」

記事内容の主なポイントは以下です。

・安倍氏の右喉(みぎのど)に銃創があるが、振り向いた安倍氏からみて左側から近づいてきた山上被告の銃創があるのはおかしい。左側に銃創があるのが自然。

・2発の弾が当たっているという救急医の説明なのに銃創は3つ(喉の右と中央に2か所、左腕に1か所)ある。喉の二か所の内一か所は擦り傷とも説明しているが、銃創ともしているので詳細は不明。

・警察庁の国会議員への説明が変転する

・救命医と監察医で診断が異なる

・安倍氏受けた2発の弾丸のうち、左腕から体内に入った弾丸1発が体内から見つかっていない。弾が外に出た形跡もない。CTでも見つからない。弾丸はどこにいった?

・心臓になぜか穴が空いている。救急医は弾丸により大きな穴があいたと説明。また、心臓マッサージによってできた穴という説明もある

 

上記の箇条書きを整理しただけみても確かにおかしいと感じます。

興味があるのでしたら、2023年2月16日号の週刊文春を読んでみてはいかがでしょうか。
近くの図書館にもバックナンバーはあるかと思います。
銃創箇所や安倍首相の振り返りの状況などを図解で紹介しているので把握しやすくまとまっていると思います。
ちょっと短いかなとは思いましたが。

 

 

猟友会会長等コメント

以下に警察官僚から説明を受ける立場の猟友会会長や国会議員のコメントを整理した。

 

大日本猟友会会長 佐々木洋平氏談(岩手県選出の元国会議員)

「銃をあつかう人間として、あの事件には関心を寄せてきた。警察の説明はちぐはぐです。あり得ないよ。」(警察庁幹部の説明を受けて)

「たとえば竹藪の中で撃てば、なにかに当たって跳弾し、通常では考えられない弾道になることはあるでしょう。ただ、あの事件現場で弾道が変わることは考え難い。」(左側にいた山上の弾が右喉に銃創をつけた可能性について記者が質問し、安倍氏が持っていたマイクなどに弾があたり弾の軌道が変化した可能性について考え難いと語る)

 

高鳥修一(新潟県の国会議員)

上記の方は新潟県選出の国会議員で猟銃所持を許可されている。
二度にわたって警察庁幹部から安倍氏暗殺事件について説明を受けているが、首の右側についた銃創の弾道については疑問を抱いている議員。

「結局、警察幹部からは右前顎部(右喉)の銃創について納得のいく説明はありませんでした。彼らは一度目は、私の疑問に対して『山上は安倍氏の真後ろよりももっと左側から撃った』と、その場を取り繕う言い方をした。二度目の説明では『(安倍氏が)大きく振りかぶったから(左にいた山上が安倍氏の右喉を撃てたの)だ』と」説明したと語る。

 

専門家ジャーナリスト談

上記の二名以外にも銃器ジャーナリストの津田哲也氏や元陸自研究員でジャーナリストの照井資規氏も、安倍氏の右喉の銃創について、なぜ右喉に銃創があるのか説明ができないと語っている。

 

 

救命医と監察医の説明

エゾシカ肉

[エゾシカに弾が貫通した部位]

上記の画像はエゾシカの太ももに弾が貫通した跡の部位です。

エゾシカと人間では違うものですし、使っている弾も全く違います。

ただ、このように弾を貫通したら、明らかに損傷とは違い弾の通り道が肉に作られます。

救急医は「弾丸により心臓が傷ついていた」と話し、監察医は心臓の傷についてはノーコメントです。

救急医と監察医の心臓の傷についての証言がまったく違う、その事実に深い疑問を感じます。

 

救急医の説明

「首の銃創は二か所で、心臓まで到達する深さ。心臓の壁には弾丸による大きな穴が開いていた」と説明。

 

監察医の説明

監察医は心臓の穴についてはコメントしていない。

なお、国会議員の青山繁晴氏は心臓の穴は銃によって空いた穴ではなく、心臓マッサージの際にあいた穴「挫滅」であると説明を受けたとご自身のyoutubeで説明しています。
まったく、納得いっていない様子でした。

上の画像はエゾシカに弾が貫通した跡ですが【弾により傷ついた箇所】と【挫滅】では、全く違うものなのではないでしょうか。

そして、エゾシカを獲った時に心臓(ハツ)も取りますが、心臓は丈夫な部位です。
心臓マッサージで穴が開くような、そんな部位ではありません。
エゾシカの話ではありますが。

 




 

事件感想

獲るならネックショット

エゾシカ

[エゾシカのネックショット 狩猟では首を狙います]

上記の画像は、以前私が獲ったエゾシカの画像です。

グロテスクにならないよう顔は映らないようにしています。

首から血がでている様子がわかると思います。

このように、狩猟に際しては苦しまないよう、そして確実に仕留めるように首を狙います。

ネックショットといいます。

散弾銃ではサボット弾やスラッグ弾という散弾しない一発弾でエゾシカは狙いますが、散弾ではエゾシカなどの人サイズの獲物を獲れません。
散弾が体に当たっても致命傷にならず、走って逃げてしまうからです。

 

安倍さんの暗殺事件を週刊文春で読んで思ったのは、首に二か所の銃創があるということは、複数の誰かが空気銃のようなもので安倍さんの首と心臓を狙ったと考えるのが自然ではないか、ということです。

手作りのおもちゃのような散弾銃で散弾を6発発砲して、6発の内、首と心臓に1発づつ当たる訳がないだろうと。

そんな都合の良い話はない、と。

もし私が猟師の先輩に「散弾でエゾシカを狙ったら、運よく首と心臓に当たって仕留められましたよ」と言うとします。

先輩猟師は「本当か!?そんな都合の良い話があるか?サボット使ったんだべや!」で話は終わりそうなものです。

 

山上被告が撃った1発目は当たっておらず、二発目の6つの鉛玉の内一発が安倍さんの喉に当たり、もう一発が左腕から入り心臓に穴をあけるのですか?

しかも、左腕から入った弾は見つからず、出た形跡もなく、弾は体の中で消えてしまった、と。

そもそも、山上被告が1砲目と2砲目の合計12発の弾の内、体の中で消失してしまった弾以外の11発の所在は警察庁は把握しているのでしょうか。

鉛は柔らかいので、体の中で粉々になる可能性はありますが、それでも監察医が発見できないとは思えません。

無理無理。無理筋です。

「なんだこの事件は...、真っ黒じゃねーか」それが私が週刊文春記事「安倍元首相暗殺徹底検証『疑惑の銃弾』」を読んだ感想です。

 

ただし、あくまで、警察発表と週刊文春の記事を読んだ感想です。
警察は知っている情報を全ては開示しないものですから、今公開されている情報では整合性のある説明は厳しいという話です。

それに米国のジョン・F・ケネディ大統領の暗殺もリーハーベイ・オズワルド一人の犯行にされて、その後なんとなく有耶無耶になってしまいました。
安倍さんの暗殺の経緯も万人が納得できる情報の開示は、今後も永遠にないものと思っています。

 

関連記事:
狩猟へいこう 狩猟で出会える動物編

 

メディアに際しては疑問をもつこと

以下は、安倍氏銃撃時を3DCGで再現しているサイトです。
現場の状況が分かりやすくCGで表現されています。

参考サイト:
安倍元総理"銃撃の記憶"

なお、上記サイトも誰が何を目的に作成しているのか疑問があるため100%の過信はせずに閲覧ください。
善意と使命感から同サイトを作ったとは思いますが、肝になるポイントを改ざんしているサイトかもしれません。
週刊文春もそうです。
このブログ「ハンター日記」や新聞やテレビであっても同様に疑問を持ってご覧ください。

適度な猜疑心を持つことは情報化社会の必須スキルだと思っています。

私たちはすでに情報戦、認知戦の真っ只中にいることをご自覚ください。

 

警察庁報告書(2023.2.26追記)

ここからは2023年2月26追記分になります。

2023年2月11日にこの記事を書いた時は安倍さんの暗殺事件は他のスナイパーがいた可能性があると考えていました。

その後、次の資料を確認できました。

令和4年8月警察庁が作成した当時の警護に関する報告書です。

事件の翌月に作成された資料です。

こんな報告書があることを知りませんでした。

『令和4年7月8日に奈良市内において実施された安倍晋三元内閣総理大臣に係る警護についての検証及び警護の見直しに関する報告書』という長いタイトルがついている、全54ページになる報告書です。

参考サイト:

『令和4年7月8日に奈良市内において実施された安倍晋三元内閣総理大臣に係る警護についての検証及び警護の見直しに関する報告書』

報告書の内容は警察庁の警護体制に問題があったので今後の体制を見直すと共に、警護に当たった警護員たち個人には誤った判断はなかったという内容です。

 

週刊文春にも追加の記事が掲載されており、週刊文春としても事件を追っているようです。

安部さんが負った、首2か所の傷と心臓の傷。

この真相は裁判で明らかになることを期待します。

ただし、この報告書を読んだり安部元首相暗殺関連の動画などを見ると一定の考えが定まってきています。

安部さんの暗殺事件は背景のない、山上被告単独の犯行の可能性が高いという印象を今は持っています。

猟師として鹿を狩っている立場からして、手作りのおもちゃの散弾銃で人の命を獲れるわけがないと思っていました。

一方で、よほど運が悪ければ散弾の一発が致命傷となる首に当たることもあるかもしれない、そう感じてきています。

事件の真相は知る由もありませんが、今は山上被告単独犯説が個人的には有力になってきています。

山上被告の発砲は世界史を変えうる一発であったと

第一次世界大戦のトリガーとなったサラエボ事件において、オーストラリア=ハンガリー皇太子夫妻を暗殺したセルビア人学生の銃弾に匹敵する、そんな山上被告の銃弾であったと感じています。

世界はより混迷を深めていくことになりそうです。

 

 

国葬に思う

安倍さんの国葬の中で友人代表として残した菅さんの言葉が印象的でした。

「かたりあひて 尽くしし人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」

初代首相を努めやはり凶弾に倒れた伊藤博文を思い、同じ長州出身の山県有朋が詠んだ歌でした。

菅さんの安倍さんを思う、日本を思う気持ちが伝わってきます。

 

 

安倍晋三氏へ合掌
重責を担っていただき、ありがとうございました
そして、本当にお疲れ様でした

 

 




 

[2017.8北海道標津ポー川史跡自然公園ビジターセンター 約10,000年前の土器の破片]

今日は2月11日で建国記念日です。
神武天皇が即位したのが紀元前660年の今日。
2683年前の事です。

北海道標津では10,000万年前の土器も発掘されており、北海道にも文字に起こされていない長い歴史があることが分かっています。
長い長い歴史の中のほんの一瞬を私たちは生きているのだと実感します。

安部さんの暗殺も長い歴史の一ページなのでしょう。

連綿と続いてきたこの国のこの土地に生きてきた名のある方も無名の方々も含めてすべての先達に感謝を込めて、建国記念日を過ごしたいと思います。

 

したっけぃ

 

 

  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

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