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ハンター日記

エゾライチョウ 一夫一妻的多夫一妻な自由恋愛を楽しむ美味しい希少狩猟鳥獣

更新日:

2021-04-04 No.725

どうも、北海道十勝のハンター モーリーです。

日高の山の中を歩いていると
エゾライチョウがいました。

エゾライチョウは日本では
北海道にのみ生息する鳥です。

近年は更に数が減った鳥ですが
狩猟鳥獣なので撃つことが可能です。

私は撃ったことも
食べたこともありませんが、
先輩たちが言うにはダシが取れて
大変美味しい鳥のようです。

10年以上前は十勝でも
林道沿いで時折見かけましたが、
特に2016年の台風以降十勝では
まったく見られなくなったと感じます。

 

関連記事:
2016年台風10号 住宅地への被害と人々

Breath of the wild 2016年洪水跡をゆく@戸蔦別川

 

今回はエゾライチョウについてお届けします。

 

 




 

エゾライチョウってどんな鳥?

エゾライチョウ

[2021.3北海道日高 エゾライチョウ♀ 目の上の赤いアイラインが目立つ]

エゾライチョウ(Tetrastes bonasi)
キジ目ライチョウ科です。

長野県周辺の高山帯に生息する
ニホンライチョウ(Lagopus muta)とは
種類(属)が違います。

 

姿

エゾライチョウ

[2021.3北海道日高 こちらを向くエゾライチョウ♂]

ハトよりほのかに大きい。

目の上に赤いライン(肉冠)があり、
オスには冠羽(頭の羽)があります。

このブログのオスの画像には
赤いラインは見えていません。

迷彩柄なので
林内の枝にとまっていると
なかなか分かりません。

 

分布・生息環境

日本では北海道にのみ生息。

世界ではユーラシア大陸の北部、
スカンジナビア半島から
オホーツク海沿岸まで
広く分布しています。

生息環境は山の林で、
標高200m-800mの針葉樹林や
落葉広葉樹林において観察例が多い。

 

 

行動

エゾライチョウは渡りを行わず
一年中同じ地域で生息します。

 

近づいても飛ばずに歩いて逃げます。

飛ぶのが苦手なようですが
長距離飛ぶこともあるようです。

あまり飛んで逃げない習性から
猟師やキツネにとっては
獲りやすい獲物の様です。

コール猟といって、
エゾライチョウを笛で
呼び寄せる方法もあります。

飛ばないわ
笛で現れるわ、
正直もっと警戒心を
持って欲しいと思います。

 

生息数

分かっていません。

1923年以来の狩猟統計によると
1970年代頃から捕獲数は減少し
生息数が減少していることが伺えます。

ただし、
大正時代(1912-1926)には
北海道のエゾライチョウは年間数万羽が
欧米に輸出されていました。

七面鳥代わりの鳥肉でした。

その頃に激減したと考えられます。

北海道ではソバのダシとしても
古くから食されていたらしく、
身近な食材であったことが伺えます。

 

本州のライチョウの
推定生息数は2000羽弱。

エゾライチョウの推定生息数は
出会う頻度や
本州のライチョウの生息数や
生息地面積を勘案すると、
北海道全体で8000羽±5000羽
ほどかなと勝手に想像しています。

最近は猟師たちの
捕獲数も減りましたが、
1970年代からのキタキツネの増加が
エゾライチョウの減少の主な理由と
考えられています。

 

参考文献:
アンケート調査にもとづく北海道におけるエゾライチョウの生息状況 藤巻祐蔵 小西秀典

 

ちなみに、
エゾライチョウは
レッドデータリストでは
環境省は環境不足(DD)
北海道では準絶滅危惧種(Nt)
されています。

 

参考文献:
日本のレッドデータ エゾライチョウ

 

繁殖(恋愛)

エゾライチョウ♀

[2021.3北海道日高 エゾライチョウ♀]

エゾライチョウの一年は
大雑把に以下の流れです。

4-5月は繁殖期。

6-8月は産卵・抱卵期などの家族期。

9-10月は家族を解消し冬の群れを形成する時期。

11-3月までが冬の群れの時期。

 

エゾライチョウはつがい(一夫一妻)が
基本と考えられています。

しかし、
オスには縄張りがあり
メスは複数オスの縄張りを
訪問することから、
多夫一妻とも言われています。

エゾライチョウのオスは
縄張り管理に勤しみ、
メスはフリー交配を楽しみ
特に気に入った相手と
行動を共にするイメージでしょうか。

 

参考文献:
エゾライチョウの生物学 藤巻裕蔵

 

 




 

撃つべきか撃たざるべきか

エゾライチョウ

[2021.3北海道日高 エゾライチョウ♂ 冠羽(頭の伸びた羽)が特徴的]

エゾライチョウを
撃つべきか撃たざるべきか...

食べるべきか食べざるべきか...

それが問題です。

 

人にはそれぞれ理屈にならない
気持ちがあります。

食べたいが、
希少な野鳥であり
積極的には撃ちたくない。

もし将来的に
エゾライチョウが絶滅したら
私は撃ったことを後悔するでしょう。

 

このまま己の気持ちに
決断を付けないまま猟を続け、
空気銃を持つ私の目の前に
エゾライチョウが現れた
その瞬間の判断に
委ねようと思います。

 

したっけぃ

 




 

  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

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