2016-05-20 No.119
鯉川温泉
「北海道ニセコ昆布温泉郷 鯉川温泉旅館」
ニセコの昆布温泉郷の隠れ宿「鯉川温泉旅館」に泊まっています。
昆布温泉街からすこし離れ、山間の渓流の畔に旅館があります。
周辺にはカタクリ、エゾエンゴサクが咲き、山菜のウドも見え、川べりにはエゾノリュウキンカやミズバショウが咲く自然豊かな静かで落ち着く温泉旅館です。
明治32年に温泉を開いてから、保養温泉として親しまれてきた鯉川温泉にもつかりましたが、泉質は大変良いと感じます。
泉質の説明を読むと、肌に良く、腰痛、痛風、糖尿病などに効果があると記されています。
そんな旅館の周辺を散歩しているとヒトリシズカがひっそりと咲いていました。
今回はヒトリシズカを紹介します。
ヒトリシズカ
「北海道後志蘭越町 ヒトリシズカ 4-5月に生える 群生することが多い」
北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林内、林縁に自生します。
比較的良く目にする花ですが、春の短い期間のみの開花なので、場所を知らないとなかなか目にしないかもしれません。
今時期しか見られない花で、気に入っている植物です。
悲劇の白拍子 静御前
「北海道後志蘭越町 ブラシ状の花が特徴的」
ヒトリシズカの名前の由来は鎌倉幕府を開いた源頼朝の弟、源義経の妾「静御前」です。
義経は源平合戦にも登場する戦争の天才児です。
あまりの戦の天才ぶりに平家打倒の後に兄の頼朝に疎まれ、将軍の地位を追われることになります。
静御前は義経が北へ逃げた時に離れ離れになり頼朝に召されますが、頼朝の前で義経を思う歌を踊り頼朝を激怒させます。
頼朝の奥方北条まさ子にとりなししてもらうも、その後も過酷な人生を歩みます。
義経の子供を身ごもっていたので、その子は産まれるとすぐに殺され、静御前の消息はその後不明となります。
北海道には義経が逃げ延びて来たといわれる土地がいくつかあります。
十勝本別町にも、義経の里と呼ばれる公園と静か山と呼ばれる山があります。
1000年の時を越えて、今もまだ語り継がれる二人の物語をヒトリシズカを見ると思います。
この花にヒトリシズカの名をつけた方も二人の悲劇を思い鎮魂するために名づけたのかもしれません。
花言葉
花言葉は「静謐」(静かで穏やかな様)と「隠された美」です。
名前の由来となった静御前に通じるような花言葉です。
ドラえもんのしずかちゃん
ちなみに、ドラえもんに出てくるしずかちゃんの名前は「源静(みなもとのしずか)」です。
藤子先生が義経と静御前をせめて漫画の中ででも幸せになって欲しいと思いつけた名前なのかもしれません。
藤子先生の優しさが伝わってくるようです。
したっけぃ