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ハンター日記

自由人畑正憲さん(ムツゴロウさん) 表面的な生き物好きの精神の虚弱さを払拭し地に足をつけて生きよう

投稿日:

2023-04-10 No.1007

どうも、北海道十勝のモーリーです。

2023年4月5日、ムツゴロウこと畑正憲氏が中標津町の自宅で心筋梗塞により他界されたとニュースがありました。87歳没。

 

4月5日、偶然ですが ちょうどその日はムツゴロウ王国があった浜中町におりました。

たまたま亡くなられた日に浜中町にいたことで不思議な縁も感じたりして、今回改めてムツゴロウさんについて動画など見てみると大変に面白い人物であったことを今更ながらに知りました。

動物学を専攻するほどに生物が好きであり、文才があり、雀士であり、東京から北海道へ移住された方であり、なによりも浮ついた社会に反して大地に根を下ろす姿勢を貫いた方だったのかもしれないと、その略歴を見て思います。

今回はムツゴロウさんの行動哲学の一つであると私が感じた

「表面的な生物好きの精神の虚弱さを払拭させ、己と他の命を抱く地に足のついた生活をする」

ということについて記します。

なお、私が勝手にムツゴロウさんの哲学かもしれないと思っているだけですので、あしからず。

ちょっと難しい表現になってしまいましたが、私が感じたムツゴロウさんの人生哲学について整理してみました。

なお、ここでは「畑正憲氏」を愛称の「ムツゴロウ氏」と記します。

 




 

 

表面的な生物好きの精神の虚弱さを払拭させ、己と他の命を抱く地に足のついた生活

エゾシカ

[2023.4北海道浜中町 地に足をつけて草を食べるエゾシカたち]

表面的な生物好きの精神の虚弱さを払拭させる

「表面的な生き物好きの精神の虚弱さを払拭させること」

この言葉はムツゴロウ氏のウィキペディア※に書いてあった文書です。

※ウィキペディアからの文章なので内容の真偽は不明ですが、ここでは過去にこのような発言あったのだろうという前提ですすめます。

「娘を生物に深く触れさせて育てたところ、魚の命を奪って食べることを拒絶するようになったことに衝撃を受け、もっと深く生の自然に触れさせて、表面的な生き物好きの精神の虚弱さを払拭させて育てることを決意した。

引用:畑正憲ウィキペディアより

「生き物が好きだから生き物を食べない」という娘さんの純粋であるが、豊かであるが故に発せられる傲慢ともとれる発言に衝撃を受けたムツゴロウさん。

「生きることは他の生命をいただくことである」という何万年、何億年と紡いできた生命のなりたちの事実から現代の豊かな社会が目をそらしている、と感じたのではないでしょうか。

生命の真のからくりを見ようとしない現代社会へのアンチテーゼとしての「ムツゴロウ王国」だったのかもしれないと、私は思います。

ムツゴロウさんはヴィーガニズム思想は否定していたと聞きます。

猟師である私はムツゴロウさんに共感するところです。

 

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なお、ヴィーガン思想は人口が80億を超え100億になんなんとする現代のゆがんだ地球環境が生んだ思想であると考えています。

ゆえに、この時代にヴィーガニズムが一定の広がりがあることは必然だと考えています。

ヴィーガニズムそれ自体に良いも悪いもなく、人口多寡の時代にあって生まれるべくして生まれた思想の一つに過ぎない、と。

それを受け入れる方、受け入れない方、人それぞれです。

また、「ヴィーガン」とは1944年に英国でヴィーガン協会が設立された時に命名されたといいます。
ラテン語の "vegetus"【活気のある、健全な】が語源。

 




 

己と他の命を抱く地に足のついた生活を忘れない

一見豊かで飽食の時代にあっては、ご飯をいただけることへの感謝、凍てつく風雪から家族を守ってくれる家屋のありがたさ、いただける仕事への感謝など、ついつい忘れがちになってしまっていませんでしょうか。

 

福岡生まれ、満州育ちのムツゴロウさんは大地に根を下ろし生活することを満州時代に心に刻まれていたのだろうと思います。

戦争を経て高度成長期を迎え、浮ついて軽薄な日本社会に違和感を感じて北海道に来たのかもしれません。

ムツゴロウさんは文筆業の傍ら、北海道へ移住し「ムツゴロウ王国」を設立し、人と動物の触れ合う姿をテレビを通じて多くの方々に見せることで、人間は自然の中の一部であることを主張したかったのかもしれません。

「私たち人間は所詮は動物。地に足の着いた生活を忘れてはいけない」、と。

 

参考サイト:

ムツゴロウ動物王国のブログ

 




 

自由な人間 ムツゴロウさん

霧多布岬

[2023.4北海道浜中町 霧多布岬 ムツゴロウ王国近くにある北海道の東端の岬]

ムツゴロウさんの人生を思うと感じることは、

「たとえ認知革命が起こっても

たとえ農業革命が起こっても

たとえ産業革命が起こっても

たとえ情報革命が起こっても

たとえAI革命が起こっても

人として、生物として持っている普遍的な価値観をしっかりと見据える」という事です。

「人は自由な動物である」、という事に尽きるかもしれません。

生物も面白くて好き、その生物たちの肉も好き、タバコもやっぱり好き、ギャンブルでの勝負が好き、囲碁も始める、絵も描く、競馬も大好き、人に騙されて借金を背負いそれを返金することも人生。

なんと人間らしく、なんと自由な方だったのだろうと思います。

今更ながらにムツゴロウさんの爪の垢を煎じて飲みたいと、そう思うのです。

 

ご冥福をお祈り申し上げます。

 

したっけぃ

  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

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