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ハンター日記

サクラマスとヤマメ 違う名前 違う姿 同じ魚

更新日:

2018-09-27 No.293

どうも、モーリーです。

川の堤防を散策していると、
サクラマスが見えました。

この季節になると婚姻色を帯びた、
美しいサクラマスを
まれに見ることができます。

で、このサクラマス、
実はヤマメです。

大きさが20cmほどのヤマメと
60cmほどのサクラマス。

姿も形も名前も違いますが、
同じ魚です。

生まれた川で一生を過ごす方がヤマメ。

川から海に降り、
大きくなって川に戻ってくる方がサクラマス。

今回はそんなサクラマスとヤマメに
なぜ違いが生まれるのかについて
紹介します。

サクラマス

サクラマス@北海道[2018.9北海道道北 婚姻色を帯びたサクラマスの雄]

とある川を散策していると、
サクラマス(Oncorhynchus masou)が14匹ほどが
川の中を所狭しと泳いでい姿を見ることができました。

サクラマスを一度にこれほど多く
見たのは初めてです。

河床を掘る産卵行動も見られたことから、
産卵のために集まっているようです。

撮影できた場所以外にも、
20匹ほどが観察できた場所もあり、
サクラマスが生息できる河川が
残っていることを嬉しく思います。

上記画像はサクラマスの雄、
60cmほどでした。

サケ並みに大きく、
雄大さと美しさを兼ねた魚です。

 

ヤマメ

ヤマメ[2018.9北海道道東 ヤマメ パーマーク(側面にある小判形の印)が特徴]

ヤマメです。

漢字では、山女魚、山女と書きます。

本当に美しい魚です。

水が冷たく、
水質が綺麗な川に生息する魚です。

画像のヤマメは山奥の川で捕まえましたが、
十勝では住宅地を流れる小河川でも、
幼魚を見ることができます。

 

ヤマメとサクラマスの違いの理由とその生態

サクラマス[2018.9北海道道北 サクラマス]

上記画像のサクラマスの性別は不明です。

婚姻色がはっきりと出ているので
オスに見えますが、
顔の形はメスに見えます。

性別はよく分かりません。

メスを争い、敗れたオスは、
メス化してオスを油断させ、
メスと交尾する戦略をとることがあります。

この画像のサクラマスは
そのメス化したオス個体かもしれません。

 

残留型と降海型

北海道と本州で違いがあるようですが、
北海道では多くのヤマメが海に下ります。

しかし、
一部のヤマメは川に残留し、
川の魚として生きていきます。

それがヤマメです。

残留する個体の多くはオスで、
メスで残留する個体は稀です。

 

一方で、
川から海に下り、
海で生きていく選択をし、
産卵のために母川に戻ってきたヤマメを
サクラマスと呼んでいます。

特にメスのヤマメは、
ほとんどが海に下り
サクラマスとして母川に帰ってきます。

川に留まる個体と、海に降る個体は、
餌の取り合いによる結果であると考えられています。

川で餌の争奪戦に勝った個体が
ヤマメとして川に残留し、

敗れた個体が
海に降りサクラマスとなるのです。

 

 

生態

サクラマス(ヤマメ)は
春(4-6月)に海から川に遡上し、
秋(9月-11月)に産卵します。

冬を川底の砂の下で
卵の状態で過ごします。

春になるとふ化し、
川で2年間ほど過ごします。

上で説明したように、
ここでの餌の争奪戦が
ヤマメとなるか、
サクラマスとなるかを決定付けます。

ヤマメとして川に残留した個体は、
体長が20-30cmほどになり、
川の上流域などでカワゲラやトビケラなどの
水生生物を食べて生活します。

川に残留したヤマメのメスは
2年に渡り産卵します。

海に降りサクラマスとなった個体は、
海の小魚などを食べて
大きくなり、
降海してから1年後に、
生まれた川に遡上して戻り、
産卵し死んでいきます。

 

ヤマメやサクラマスが生息するには
川が海と繋がっていなくてはなりません。

堰堤や落差工などの河川構造物亜があると、
川と海の行き来を阻害し、
ヤマメに限らず多くの魚が困ってしまいます。

末永くヤマメがサクラマスがいる川を
繋いでいきたいですね。

 

したっけぃ

 

  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

-自然, 魚貝類
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