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ハンター日記

毛虫はどうやって冬を越すの?

投稿日:

2020-11-03 No.642

どうも、北海道十勝のハンターモーリーです。

先日、山をウロウロしていると木の幹に毛虫がいました。

毛虫のことはよくわかりませんがヤママユガの仲間でしょうか。

10月の北海道の山は朝晩は冷え込み、0度まで気温が下がることもあります。

この時期に羽化して蝶やガになるとは思えません。

毛虫がどのように越冬するのか調べてみました。

 

 




 

毛虫(蝶やガの幼虫)の越冬

毛虫

[2020.10北海道釧路 木の幹の毛虫]

北海道の冬は寒く-20℃、
まれに-30℃になることがあります。

わたしたちヒトなら
凍死してしまいます。

ではなぜ、そしてどのように、
蝶やガの幼虫たちは越冬できるのでしょうか。

毛虫と呼んでいますが、
上記の画像は蝶やガの幼虫です。

 

 




 

蝶の様々な越冬方法

蝶やガは様々な方法で越冬します。

種類によって変わりますが、
「成虫」や「蛹(さなぎ)」、
「卵」などの状態で越冬します。

 

蛹(さなぎ)で越冬

ジョウザンシジミ

[北海道某所 蛹で越冬するジョウザンシジミ]

例えば、
モンシロチョウやキアゲハ、
ジョウザンシジミなどは
蛹の状態で越冬します。

北海道では蛹で越冬する種類が
一番多いと思います。

 

参考文献:
ジョウザンシジミの越冬蛹の耐寒性 星川和夫

 

卵で越冬

ミドリシジミや
ウスバシロチョウは
卵で越冬します。

 

成虫で越冬

クジャクチョウ

[2020.4北海道十勝 クジャクチョウ(タテハチョウ科の仲間)]

クジャクチョウなどの
タテハチョウの仲間は
成虫のまま越冬します。

このクジャクチョウも
成虫のまま越冬するので、
毎年一番早く見かけるのが
このクジャクチョウです。

 

このように蝶やガの越冬方法は
その種によって様々あります。

越冬する場所も樹洞や岩陰
人の物置の中など様々ですが、
共通しているのが
外敵に見つかり難く、
風や雨や雪を避けられる、
温度変化の激しくならない場所です。

 

 




 

北海道の厳しい冬で凍り付かないの?

毛虫

[2020.10北海道釧路 毛虫のお尻]

それにしても、
北海道の冬は-20℃や-30℃にまでなります。

越冬中に凍り付くのでは?と思うと思います。

キアゲハのように蛹で越冬する種類は
蛹が低温から守る毛布の役割を果たします。

そして
蝶やガは越冬に備えて
体の中に不凍液のような物質を蓄えて
体を凍り付きにくい体質へと変化させて
北海道の厳しい冬を乗り越えています。

更に
「細胞外凍結」という手法をとります。
細胞を囲む体液は凍り付いても、
細胞は凍らない仕組みをつくり
-20℃以下の北海道の冬を乗り越えています。

この動画の幼虫も
どのような方法にてか越冬します。

凄いと思います。

私は灯油ストーブ無しには
越冬できない、
だらしのないホモサピエンスです。

こんな小さな虫たちであっても
その体に宿している生き抜く力強さを
感じずにはいられません。

 

なお、
今回の記事を書くにあたり
北海道を代表する在野の
ザリガニ研究者であり、
蝶の研究者でもある
ミラー先生に色々と教えていただきました。

ありがとうございます。

 

したっけぃ

増補改訂版 日本のチョウ: 日本産全種がフィールド写真で検索可能 (フィールドガイド)

  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

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