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ハンター日記

鹿肉 健康とダイエットに鹿肉を 寄生虫にはお気をつけ

更新日:

 

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2016-01-24 No.74

エゾシカ肉

venison「エゾシカ肉、モモ肉。流水で洗っている状況」

十勝管内の各猟友会の若手グループをベテランが指導する集まりで、同管内のエゾシカ猟に行ってきました。
私は相変わらず、シカがいない、当たらないの流れでしたが…、他のグループが捕獲に成功しました。
おすそ分けで、鹿肉を手に入れることができました。
ありがとうございました。
鹿肉は英語で"venison"です。
ラテン語が語源で「狩りの獲物」の意味です。

獲れた部位は以下の通りです。
1.背ロース
2.モモ肉
3.スペアリブ
4.ハツ
5.レバー
6.タン
7.陰茎
8.金玉

各部位の説明は後日するとして、鹿肉の概要について記事をお届けします。

鹿肉の臭い

鹿肉は「臭い」イメージがあるかと思います。
しかし、狩猟後に素早く肉を冷やすことで、臭いにおいが肉に付くことを相当低減できます。
私たち人間を含め、動物の肉も血液も基本的には無菌です。
新鮮な肉はもちろん、新鮮な血液ですら食材になるのです。
血液のソーセージもあります。

肉の冷却は臭いの原因となる細菌や微生物の増殖を防ぐため

その肉を素早く冷やすために重要な作業が「血抜き」であり「内臓除去」です。
血液も内臓も温かいため、死後も体内にあると微生物や細菌の繁殖を促してしまいます。
それら繁殖した微生物が発する臭いが「血なまぐさい」臭いの正体なのです
北海道の場合、狩猟時期は冬なので雪の上で狩猟するケースが多くなります。
ですので、雪をかけるなどして素早く肉を冷やす環境に恵まれています。
本州ですと、川や池に獲物を入れたりするようです。

血抜き

先にも書きましたが血抜きが目的なのではなく、血を抜くことで、素早く獲物の体温をさげることが目的です。
また、銃猟によって獲物が外傷を負い、その傷から無菌である体内に雑菌が入り込むことになります。
そして、血液によって獲物の体内に雑菌や微生物が侵入し増殖してしまいます。
血抜きによって、雑菌や微生物の繁殖を低減させるのです。

ハンターの先輩が、撃たれた後に走って逃げたりした獲物の肉は美味しくなくなるといっていました。
その言葉は、撃たれた獲物が傷を負ったまま運動することで、血液の流れにより雑菌や微生物が獲物の体内により侵入してしまいます。
それら侵入した微生物や細菌の獲物の体内での活動が臭いの発生原因になるからです。

内臓の除去

内臓の除去も血抜きと同様に、獲物の温度をさげるために行います。
また、狩場から車まで運び易くするためです。

鹿肉の栄養

豚肉や牛肉に比較してカロリーは3分の1です。
また、鹿肉は食物アレルギーの原因になりにくい良質なタンパク質です。
当たり前ですが、狩猟でとれた鹿肉は添加物もホルモン剤も添加されていません。
普段食べる豚肉も牛肉もなにが食べさせられているか私には確認できません。
豚や牛、鳥を飼われているかたであっても、農協を経由して海外から輸入している飼料を使用している方は、その飼料の中に何が入っているのか完全には把握していないのではないでしょうか。
エゾシカなら分かります。
ほぼ、ササです(冬なら)。
今回、ハントしたシカの胃の内容物を調べてみました。
中からは、緑茶の葉のような色合いで、発酵がすすんだ臭いのする、細かくかみ砕かれたササの葉が大量に出てきました。
このように、野生のシカの食べているものは、自然界より獲ているものです。

寄生虫

帯広食肉衛生検査所による、寄生虫調査結果がありますので引用します。

・エゾシカの85 %で寄生が認められたという報告がある
・本調査した7 頭のエゾシカ 全てから住肉胞子虫が確認された
・道東に生息する野生エゾシカには高率に住肉胞子虫 が寄生していることが強く示唆された

「道東地区の野生エゾシカにおける住肉胞子虫の寄生状況」より引用

鹿肉を食べる際は、しっかりと火を通してください
先輩ハンターの多くは、生で鹿肉を食べているようです。
そして、皆さんお年を重ねても大変にお元気です。
山で獲物を追ったり、山菜探してヒグマと出くわしたり走って逃げたり(銃は持っていないとき)、大酒飲んだりと…。
先輩ハンターを見ていると『寄生虫が体内にいても良いじゃない。』って思えてしまいます…。

くれぐれも鹿肉の生食は自己責任で!

したっけぃ

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  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

-狩猟, 食・料理, ジビエ
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