2018-11-28 No.318
どうも、モーリーです。
今回は書評です。
北海道の自然や動物に興味がある方なら
誰が読んでも面白いと感じられる本です。
著者の千嶋氏は十勝在住の方で、
野生生物の研究者です。
主な研究対象は
海獣(ゼニガタアザラシなど)と
海鳥だと聞いています。
徹底したフィールドワークにこだわる研究者で、
その観察眼と撮影能力、
具体的な事例を紹介しつつ読ませる文章力で、
北海道の研究者の中でも屈指の
実力を持つ方です。
十勝池田町で
道東鳥類研究所という研究所を開き、
在野で研究を続け、
学会へも参加する
研究者の鏡のような方です。
ブログもやっています。
鳥キチ日記
その方が、一般の我々にも
北海道の野生生物の魅力を伝えようと
記した本がこの本です。
文章も読みやすく、
フィールドで培った知見を
分かりやすく伝えてくれています。
北海道の動物たち 人と野生の距離
[北海道の動物たち 表紙 エナガが可愛い]
このブログを書く時も、
エゾシカの章などは、
かなり参考にさせていただいています。
一部内容を紹介します。
エゾシカの章「試される保護管理」
[2017.8北海道知床 増加するエゾシカ]
著者は近年激増するエゾシカによる
植生被害から始まる環境への悪影響の連鎖を懸念しており、
ハンターによる対策では不十分ではないか、
との見解を示しています。
その中でオオカミの再導入について紹介しています。
家畜や人的被害が発生する可能性もあることから、
著者は深い議論が必要だと記しています。
北海道にも1890年頃までは、
エゾオオカミが生息していました。
私は常々ご先祖様が絶滅させてしまったエゾオオカミに代わって、
シベリアなどからオオカミを導入したいと思っています。
ヒグマやオオカミがいる山で狩猟するなんて、
想像するだけでワクワクします。
アメリカのイエローストーン国立公園では、
オオカミの再導入で、
生物の多様性が劇的に向上した
という事例もあります。
今度、その事例を紹介します。
貴方も『北海道の動物たち』を手にとってみてください。
したっけぃ