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ハンター日記

【事故記録】2019.8札幌南区ヒグマ徘徊事件 概要と今後の対応

更新日:

ヒグマ

2019-08-08 No.416

2019.8.7日夜から8午前、
札幌市南区において、
住宅街を徘徊するヒグマの
目撃情報が相次ぎ、
家庭菜園のトウモロコシなどが
食べられる被害が発生。

本記事の内容

・状況概要

・今後の対応

ご訪問いただきありがとうございます。
北海道十勝のハンター
モーリーと申します。

北海道札幌市であったヒグマの
住宅街徘徊について
整理します。

 

状況概要

道路上のヒグマ[ヒグマ(メス 2歳程度) 人を気にせずに道路上を横切る]

日時:2019.8.7日夜-8日午前-9日6時頃
場所:北海道札幌市南区藤野
被害:家庭菜園 トウモロコシやプラムなど
対応:住民が110番し警察が発見。パトカーで追い払うも効果薄い
クマ:ヒグマ

同じヒグマと思われる個体が
3日頃から目撃されており、
4日には民家の敷地に糞も確認されました。

札幌市南区ではヒグマが出没するのは
常態化しているようです。

警察がパトカーで追い払うも
効果が薄く、
7日夜から
複数のパトカーで追いかけつつ、
8日10時頃にようやく
山へ帰ったようです。

今回のケースが普段と違うのは
ヒグマの住宅街を徘徊する
時間の長さです。

人や街に入ることに
慣れてしまった結果です。

2019年度の札幌市に寄せられた
ヒグマ目撃情報はすでに100件を
超えています。

 

追記 8月9日分

翌、9日6時頃にも
同地区の住宅街に現れ
玄関の階段を歩くなどの
行動が確認されました。

札幌市は捕獲を視野に入れて
対応を協議しているようです。

明日、10日から3連休になるため、
札幌市役所の対応が
鈍くなるのが心配です。

 

追記 8月10日

札幌市は箱わなを設置し
住宅街を徘徊するヒグマを
捕獲することを方針を決めた。

なお、地域住民へチラシを配布し
注意を喚起するなどの対応をする。

また、
011-211-2879
(札幌市環境共生担当課)では、
電気柵の無料貸し出しなどを実施している。

10日に箱わなを2基設置した。
(少なくないですか?)

 

雑感。

正直、箱わなの設置しかないと思っていました。

ヒグマは頭がいいので
容易に罠にかかるとは思えませんが、
行政として対応しているスタンスは
市民に示さねばなりません。

さらに、実際にわなにかかった後が問題です。

山奥の罠にかかれば、
誰も見ていないので
箱にいるヒグマは
そのまま銃で殺処分ですが、
今回は住宅街ということで、
生きたまま箱わなを移動し、
その後に殺処分になります。

生きたヒグマが入った箱わなを
トラックに載せる作業工程が
想像つきません。

麻酔を使って眠らせるのでしょうか。

前代未聞ですね。
興味深です。

この3日後に猟銃による
殺処分が決定しました。

 

追記 8月13日

札幌市と道警(北海道警察)は
12日、同ヒグマを猟銃を使って
駆除する方針を決めた。

同ヒグマの住宅街徘徊は
変わらず、8日間連続での
徘徊となる。

すでに箱わな2基を設置しているが
これまでのところ、効果はない。

 

追記 8月14日

同ヒグマは住宅街を
13日夜から14日未明まで徘徊。

午前4時頃にやぶに入る。

猟友会と警察10数人が追跡し、
山中で確認し、猟友会メンバーが
午前6時に3発を発砲し駆除完了。

同ヒグマはメス(推定8歳)で
体長140cm
体重128kg。

他にもヒグマがいないか
警戒を続けていたが、
危険性はなくなったと判断し、
警戒態勢を解除。

 

お疲れ様でした。

 

 

今後の対応

ここまでヒグマが人や街に
慣れてしまうと
方法は二つです。

1.駆除

2.放置

駆除

このニュースを聞きながら、
「俺に撃たせれば一発で仕留めるわい」
と思っているハンターは沢山いるはずです。

しかし、
住宅街での猟銃の発砲は
厳しく規制されています。

また、
駆除するにしても
以前、北海道砂川市で
地元猟友会のメンバーが
警察の立ち合いのもと
ヒグマを駆除した後に
猟銃所持許可を取り消されるという
不可解な事件があり、
現在北海道猟友会と北海道警察の間には
わだかまりがあります。

猟友会と警察の円滑な関係を望みます。

 

ヒグマ動画 遭遇5mでの対処法

[21秒:北海道知床でヒグマと遭遇した時の動画 接近距離5mほど]

参考までに
2017年に知床で撮影した
ヒグマとの遭遇の様子を
紹介します。

この時は銃を持っておらず、
カメラのみと丸腰でしたが
𠮟りつけると、
逃げていきました。

ヒグマを一喝している女性は
「知床の母」とも言われる
ヒグマ写真家大矢さん。

さすが、胆力があります。

この時は私の後ろに
旅行者と思われる
関西弁の小さな子供を含む
親子4名がいたので
助けになり良かったです。

 

放置 ヒグマとの共存へ

私ならこちらの道を
選択します。

ヒグマが出没しても、
放置するのです。

それは、
ヒグマと共存できる
都市計画の実現への一歩です。

ヒグマによる被害を
事前に盛り込むのです。

現に私たちは
交通事故で
毎年4000人近くが
亡くなっていますが、
自動車を無くそうとしません。

それと同じように
ヒグマによる被害を
ある程度見込んで、
ヒグマが出没しても
逃げ去っても一喜一憂せず
ヒグマ対策ルールを設定し
一定のルールのもとで放置する。

いかがでしょうか。

 

駆除か放置か?

答えのある問題ではありませんし、
時代と状況によっても変化する
類の問題です。

貴方ならどちらを選択しますか?

このブログを通じて
貴方と共に考えていければ幸いです。

 

したっけぃ

 

  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

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