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ハンター日記

メアカンフスマ 蜂が来られない標高ではアブラムシが受粉する

投稿日:

メアカンフスマ

2019-08-09 No.417

ご訪問いただきありがとうございます。
北海道十勝のハンター
モーリーと申します。

北海道阿寒国立公園の
雌阿寒岳に登ると
メアカンフスマがありました。

雌阿寒岳と知床半島にのみ
生育する珍しい花です。

メアカンフスマについて
お届けします。

 

メアカンフスマ

メアカンフスマ[2019.8北海道雌阿寒岳 メアカンフスマ]

和名:メアカンフスマ/雌阿寒衾
学名:Arenaria merckioides
科名:ナデシコ科
分布:雌阿寒岳・知床半島(羅臼岳など)
生育:高山の岩陰など
開花:7中旬-8月
草丈:5-10cmほど

 

雌阿寒岳由来のメアカンフスマ

雌阿寒岳山頂の景観[2019.8北海道阿寒国立公園 雌阿寒岳から青池と阿寒富士を望む]

雌阿寒岳の山頂から
青池と阿寒富士を望む景色。

地面をよく見ると
植物が生えています。

なんでしょうか。

メアカンフスマ[2019.8北海道阿寒国立公園 メアカンフスマ]

肉厚で細い細長の卵型の葉形。

この植物は
メアカンフスマの葉のようです。

雌阿寒岳と知床半島(羅臼岳など)
のみに生育する高山植物です。

千島列島やサハリンにもありそうですが、
詳しくは分かっていません。

山形県と秋田県にまたがる
鳥海山にはチョウカイフスマ(鳥海衾)
という高山植物があります。

そのチョウカイフスマは
このメアカンフスマが
基になって派生した種であると
考えられています。

 

メアカンフスマの受粉

メアカンフスマとアブラムシ[2019.8北海道雌阿寒岳 メアカンフスマの受粉を助けるアブラムシ]

メアカンフスマを
よく見てみると
小さな赤い虫がついています。

アブラムシのようです。
ハエもいます。

ここは標高1500m。

北海道は緯度が高く
気候は亜寒帯に分類されます。
内地は温帯です。

標高は内地の山の
+1000mに相当します。

標高2500mであると
考えてみてください。

森林限界も超え
ハイマツも生えない環境では、
地上で花の受粉を助ける
マルハナバチやハナアブたちも
なかなかこられません。

そういう環境では
このようにアブラムシたちが
受粉を助けているのですね。

 


[13秒:メアカンフスマとアブラムシとハエ]

 

私たちの生活圏から遠く離れた
高山帯にあっても
多くの生物たちが、
私たちと同じように
必死に生き抜いています。

 

もしお時間が取れる時は
そんな生物たちに会いに
北海道まで遊びに来てください。

 

したっけぃ

  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

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