2022-04-23 No.945
どうも、北海道十勝のハンターモーリーです。
拙ブログへのご訪問ありがとうございます。
2022年4月23日夕刻、知床半島を遊覧する観光船が沈没した可能性があるとの一報が届きました。
一報を聞いた時はロシアからの銃撃を受けた※のかと思ってしまいました。
※2022年2月から隣国のロシアは東欧ウクライナへの侵略のため戦時中。日本国もロシア侵略へ制裁を科しており報復攻撃の可能性も考えられた状況。
どうやら昼頃からの強風による事故である可能性が高いとの事です。
同船の乗客が無事に海岸まで辿り着いていることを切に願っています。
同地域は知床岬の先端付近で私も近隣を何度か歩いたことがあります。
道は無く鋭い崖とひたすら続く海岸線、そしてヒグマの生息地という場所です。
同事件概要と知床半島の海岸線とヒグマ生息状況について整理します。
事件概要
日時:2022年4月23日 13時13分頃場所:北海道知床半島カシュニの滝沖合
内容:
2022年4月23日13時、北海道斜里町の知床半島西部沖を航行中の観光船「KAZUI(カズワン)」から「船体が30度傾いた」、「船が浸水している」と同船を運用している有限会社知床遊覧船へ救助要請があった。
その後、連絡が取れなくなった。
第1管区海上保安本部(北海道小樽市)によると、乗員乗客は26人(内、子供2名)。
海上保安庁の巡視船艇5隻や航空機2機などが現場に向かい、同日午後4時半から捜索を開始。
同日20時、船体は確認できず、乗員乗客は見つかっていない。
同船は小型観光船で定員は65名。世界遺産知床半島の海岸線の景観やヒグマやオジロワシ、オオワシなどの野生生物を観察する3時間のツアーの最中だった。
斜里町ウトロ地区の気温は6℃。
海水温は2-3℃。
気象庁は強風波浪注意報を出しており、波の高さは3m(13時)であった。
同船は2021年6月にも座礁する事故を起こしていた。
国土交通省は同事件を受けて対策本部を設置。
熊本市を訪問中だった岸田首相は予定を切り上げて自衛隊機で東京へ戻った。
参考サイト:
知床遊覧船
知床岬の海岸線 スマホは通じない場所
年に一度は知床へ訪れています。
目的はオジロワシやオオワシ、ヒグマの観察とリフレッシュです。
世界自然遺産になるだけあって海も空も陸も本当に豊かな自然が残っています。
以下の画像は知床岬へ至る道中の海岸線の様子です。
画像を見ていただくと分かりますが、道も無く、スマホの電波も通じず、波の音と海鳥の鳴き声だけが聞こえる場所です。
もし、スターリンク※を知床岬上空に持ってくることが可能ならば、スマホ通話も可能であると考えられます。地上の送受信機は設置が必要ですが。将来的には知床岬のような僻地には衛星からの通話サービスが適しているように思います。十勝の大樹町でロケットを打ち上げているインターステラーテクノロジーズに期待しています。
※スターリンクとは、米国のスペースX社の衛星。衛星と地上の送受信機により、インターネットアクセスサービスを地上のあらゆる場所で提供することを目的としたサービス衛星。
関連記事:
2018年知床岬トレッキング遭難事件 概要と教訓
同船の乗員乗客は全員ライフジャケットを着用しているはずです。
このような海岸線に辿り着いている可能性は高いと思います。
今現在(2022.4.23 23時)の気温は6℃です。
小潮で潮位は低いので、海岸線でも留まれる場所はありそうです。
なんとか上陸して身を寄せ合って温め合っていて欲しいものです。
知床岬のヒグマたち
上記の画像は知床の海岸線にいるヒグマの画像です。見えにくいですが、中央部の海岸線付近にある黒い点がヒグマです。
このように知床は世界的に見てもヒグマの密集地帯として知られています。
特に海岸線ではその姿を時折見かけます。
しかし、知床のヒグマは人を襲う事はめったにありません。
3年前に猟師が襲われた事件があっただけで、その事件以外はここ30年近く一度もヒグマはヒトを襲っていないはずです。
参考記事:
【事故記録】2019.4斜里町ヒグマ死んだふり襲撃事故
もし、乗客乗員が海岸線まで辿り着いてさえいれば、ヒグマ襲撃の可能性は低いと思っています。
寒さをなんとか凌いで欲しいと思います。
参考記事:
探検@知床 知床の母との出会い ヒグマとの遭遇距離4メートル
参考動画:
この動画は私が撮影したものです。
ヒグマと私の距離は4-5mでした。
小柄だったので1-2歳のメスだと思います。
このように人の前に出てくるのは山での競争ではじき出された体の小さなメスのヒグマたちが多いのです。
人が訪れない山奥には巨躯ヒグマがいるはずです。
知床における野生動物と人の関係を変えうる事件である話
知床岬の道中にある観音岩の観音様です。昔から知床岬周辺は海難事故が多い場所です。
その海を鎮撫するために観音様が祀られたと記憶しています。
今回の事故の仮定の話ですが...
もしも乗員乗客が亡くなってしまい海岸線に打ち上げられてしまい、そのご遺体をヒグマたちが食べてしまったとしたら恐ろしいことです。
知床のヒグマが人を食べることを覚えてしまうことになります。
そうなると羅臼町や斜里町の住民保護のためにも、知床に生息する多くのヒグマを殺処分する必要がでてくる可能性もあります。
今回の海難事故事故は世界自然遺産知床におけるヒグマとヒトとの関係すら大きく変えてしまう、そんな可能性もある事故なのです。
今は乗員乗客が無事に海岸線に辿り着いていることを、そして現地で捜索に当たっている方々の安全をお祈り申し上げます。
したっけぃ