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ハンター日記

ソーセージはクマである 野生生物にエサを与えるということ その3

更新日:

 

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2017-10-05 No.217

ソーセージと呼ばれたヒグマ

ソーセージはクマである。
知床にいたメスのヒグマである。

観光客から
ソーセージを餌付けされ、
付いたあだ名がソーセージ。

人に慣れ、
ある春に小学校まで立ち入り、
射殺されました。

 

野生生物へエサをあたえるということ

ヒグマ ソーセージ 知床[引用:知床財団の資料より 2017.8 知床自然センターのトイレに貼ってあったポスター 野生生物へのエサやりをしないよう促すテキスト画像]

知床の観光客向けのビジターセンターがあります。
そのトイレに上記のポスターが張ってあります。
観光客に野生生物へエサを与えない様に啓発するものです。
この画像のヒグマがソーセージです。

有名な事件で、
この事件を受けて、
野生生物のエサやりは人のエゴであるとの批評もあります。

私は違う立場をとっています。

野生生物へのエサやりは、
ヒトのエゴではない。

野生生物にエサを与える行為とは、
野生生物の住処と食べるものを奪ってきた私たちヒトの贖罪であり、
生物多様性を維持するための行為の一環である。

腹を空かせた野生生物へ食べ物を与えたいと思う人の心すら、
地球の大きな環境循環の一環。

そうであっても、
観光客は知床では野生生物にエサを与えてはいけない。

知床のヒグマを守るために。

 

ヒトが野生生物へエサを与える三つの事例

ヒトが野生生物へエサを与えることは、
基本的にNGです。
ですが、一概に悪い行為とは言えません。
3つの例を紹介します。

タンチョウ 絶滅から千羽以上へ

タンチョウ エサ にお積み[2015.1北海道十勝 地元住民が設置したニオ積みのデントコーンを食べに来るタンチョウ 近くには十勝川温泉もあり観光資源の一環ともなっている]

タンチョウは乱獲により、
大正時代には絶滅したと思われていました。
しかし、1924年に釧路で再発見され、
以降、
給餌(エサやり)によって絶滅を免れました。
今では1300羽以上が日本国内で生息しています。
近年は十勝でも営巣しています。

タンチョウを近くで見たいなら、
釧路よりも十勝の方が適しています。

エゾリス 森の植木屋さん

エゾリス エサ 松の実[2017.9.18北海道十勝 松の実を食べるエゾリス 近所の老夫婦がエサを与えている 近くには多くの野良猫やハイタカもいるが、昔から生息している]

私の散歩コースにいるエゾリスです。
年により数は変化しますが、
昔からずっと生息しています。
ちなみに今年は少ない。

エゾリスは森をつくる大切な役割を担っています。
エゾリスは冬の前に地面に木の実を埋めます。
食べられなかったそれらの木の実は、
やがて成長となり林を形成します。
エゾリスは森の植木屋さんです。

 

スズメ 畑の害虫駆除屋

スズメ エサ お米[2017.9.18北海道十勝 スズメたち 播いた米を食べている]

私が餌やりをしているスズメたち。
スズメがいることで、
十勝の畑作地帯は害虫から、
一定の被害を軽減できています。
私の畑でも虫なども食べてくれます。

 まとめ

野生生物へエサを与える行為はNGですが、
全てがダメな行為ではありません。

現に日本野鳥の会がシマフクロウへの人口給餌を北海道日高地方で始めました。
タンチョウに給餌している場所もあります。
シマフクロウやタンチョウのように、
人から働きかけをしないと絶滅してしまう野生動物もいることも事実です。

しかし自然豊かで、
野生動物が自らエサを確保できる知床においては、
エサやり行為はその野生動物のためになりません。

ヒトの活動範囲が拡大し人口爆発した今日の状況で、
野生動物とヒトの正しいあり方を見つけることは困難なことです。
市街地にでてくる野生動物がおかしいのではなく、
根本の問題は増えすぎた私たちヒトなのです。

それでも、ヒトも野生動物も存在するのですから、
折り合えるポイントを探してゆかなければなりません。

貴方と共にその問いをブログを通じて考えていければ幸いです。

したっけぃ

 

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  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

-自然, 哺乳類
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