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ハンター日記

事故記録 2021.4北海道厚岸町山菜取りヒグマ遭遇死亡事故 事故概要と冬眠明けのヒグマのエサ

投稿日:

2021-04-11 No.732

どうも、北海道十勝のハンター モーリーです。

2021年4月10日
北海道厚岸町で山菜採りをしていた
男性がヒグマに襲われ死亡する事件が発生。

事故概要と感じたことをお届けします。

 

 




 

事故概要

日時:2021年4月10日11時前

場所:北海道厚岸町 厚岸町役場から南東におよそ7キロの厚岸湾に突き出た半島部の人里離れた山林内


内容:

2021.4.10午前中
道東の厚岸町の山林で
夫婦が山菜採りをしていた。

11時頃「夫がクマに襲われた」と
女性から警察へ通報。

警察が現場に駆け付けたところ
山林の中で男性(60代)が
頭部を襲われて出血し
倒れているのが見つかり、
その場で死亡が確認された。

警察によると「女性は男性から少し
離れた場所で山菜採りをしており、
男性が悲鳴が聞こえたので
振り返ると夫がクマともみ合いに
なっていた」と女性が話しているという。

女性はその場から離れけがはない。

ヒグマは現場から立ち去ったとのこと。

警察によると、この時期はヒグマが
冬眠から目覚めてエサを求めて
活発になるということで、
付近をパトロールするなど
注意を呼びかけています。

地元の男性(80代)によると
「あの場所はクマの通り道になっており
しょっちゅう出るところ」。

地元の男性(70代)によると
「地元の人間も行かない場所」とのこと。

 

 




 

 

冬眠明けのヒグマのエサ

ヒグマの糞

[2021.4北海道知床 ヒグマの糞]

先週、知床へ野生生物の
調査と撮影に行っていました。

 

ヒグマの糞は確認できましたが本体は確認できず。

糞の表面が乾いており、いつ頃の糞か判別不明です。

ひょっとしたら昨年の秋の糞が
そのまま残っている可能性も
あるのかもしれません。

内容物はドングリなどの草本類が主でした。

ちなみに、ヒグマの冬眠明けの主な山菜は

・フキノトウ
・ザゼンソウ
・ドングリ
・セリ科の植物

などです。

ザゼンソウ

[2021.4北海道十勝 冬眠明けのヒグマが食べるザゼンソウ]

上記の画像が冬眠明けのヒグマが食べるザゼンソウです。

肉厚で食べ応えのある植物です。

 

関連記事:
ザゼンソウ 発熱 臭い 性転換

 

参考文献:
ヒグマ研究室 ヒグマの食べ物

 

 

 




 

厚岸の山菜時期は十勝よりも早い

ギョウジャニンニク

[2021.4.10北海道十勝 ギョウジャニンニクの生長状況 あと3日後が採り頃]

事件同日、私も十勝の山に
山菜採りに行っていました。

上記の画像は事件と同じ日の
十勝におけるギョウジャニンニクの
生長具合です。

十勝ではあと3日後くらいからが採り頃でしょうか。

ヒグマに襲われた夫婦が
なにを採っていたのかが気になります。

厚岸町は十勝よりも山菜時期は
遅いと思っていましたが、
海の近くということで温暖なため
十勝よりも山菜の生長が早いのかもしれません。

そうすると狙っていた主な山菜は
ギョウジャニンニクなのでしょうか。

あとは
・フキノトウ
・エゾイラクサ
・エゾエンゴサク
・カタクリ
などの山菜もすでに始まっているでしょう。

 

 

 

ヤフーコメントの傾向と感じたこと

事件があるとヤフーニュースの
コメント欄を見るのが好きです。

事件に対して多くの方々が
どのように感じているのか知れるからです。

 

意見の傾向を箇条書きします。

・ヒグマと遭遇する可能性があるのに山菜採りにでるのは愚かしい

・熊鈴だけでは不十分

・春の山菜は美味しいが人が採るのはダメ

・人を襲ったクマは猟友会に駆除されるので可哀そう

・自分の命より山菜が大切なのか

・早春の山菜は柔らかくて美味しい。ヒグマも人も春の山菜は食べるものなので注意が必要

・厚岸町在住ですが、近年ヒグマの目撃例は増えてきた

・ヒグマと遭う訳ない、遭っても大したことないと過信しているのでは

 

全体的に山菜採りに行くのは
危険な行為という意見が多いようです。

コメント数も多く
ヒグマに襲われたという事で
衆目を集める事件になっています。

 

ただ、この事故は
起こりうる一つの事故に
過ぎないとも感じます。

 

死亡率でみると
山菜採りにでてヒグマに襲われるよりも
交通事故死の方が圧倒的に数が多く、
巻き込み事故なら経済的にも
被害が甚大になります。

2020年には368,601名が負傷し
2,839名が交通事故で死亡しています。

2021年に入って二月末までの統計ですが、
55,633名が負傷し、
405名の方が交通事故で亡くなっています。

翻って、2021年に入ってクマによる死亡事故は1件のみです。

405名(交通事故)対1名(ヒグマ)

統計でみると山菜採りに行くよりも
ドライブしている方が
遥かに恐ろしい行為であると分かります。

ただし、情緒的には
交通事故よりもヒグマに襲われる方が
恐ろしいと感じるのも理解できます。

参考文献:
統計でみる日本 道路の交通に関する統計 e-Stat

 

 

美味しい山菜を食べようと
山に行きヒグマに襲われた。

残念な事故ですが、
人が自然の中で生きている営みの中で
当然起こりうる一つの事故に過ぎません。

 

残された奥様が一日も早く心穏やかに
生活できる日がくることをお祈り申し上げます。

 

したっけぃ

山菜採りに行かれる方は30分に一度でも爆竹を鳴らしてください。火薬の音と匂いで人の存在をクマに伝えることが肝要です。

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  • この記事を書いた人

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

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