2020-10-27 No.633
石川県でクマがショッピングセンターに
立て篭もる事件が発生。
この記事では
石川県での10月に集中したクマ被害の
概要を記録することとします。
石川県とクマの経緯
石川県におけるツキノワグマの数の推移など
についてザッとご覧ください。
以下に石川県における
ツキノワグマの推定総数。
1970年:350頭程度
1985年:550頭程度
1996年:550頭程度
2006年:700頭程度
2011年:800頭程度
2016年:1050頭程度
石川県におけるツキノワグマ関連事項。
2004年、ツキノワグマが大量出没し166頭を捕獲駆除した。
2010年、大量出没する。対策は確認できず。
2020年10月8日、大量出没警戒情報を県が出す。
石川県は頭数調査も定期的に実施し
時折の大量出没の経験と
それらへの対応など、
ツキノワグマとの付き合い方の
知見を蓄積している県である
ということが分かります。
以下に石川県が作成した
ツキノワグマに関する資料を紹介します。
参考資料:
第3期石川県ツキノワグマ保護管理計画(変更)
2020年10月の事件概要
今回の記事は10月に石川県で
発生した大量出没の概要を整理します。
2020年9月:ツキノワグマの目撃情報が急増。9月は1日3.2件の目撃数となり過去最高を記録。原因はブナの大凶作と一部報道が報じる。
2020年10月6日:石川県に合計342件の目撃例が集まる。
2020年10月7日:石川県小松市吉竹町の住宅街、6:10頃、女性(70代)がクマに襲われ頭に軽傷を負う。女性は自ら110番。クマは体長1mほど。市などがクマを捜索するも見つからず。
2020年10月8日:石川県が大量出没警戒情報を出す。
2020年10月16日:同県白山市明法島町、12:10頃に住民男性(95)が襲われた。15:00過ぎに近くの女性(63)が襲われた。猟友会の男性二人(57、72)も襲われた。頭や足を負傷。全員命に別状はない。17:00頃現場近くの納屋の中にいたクマ(成獣♂、体長1.3m、体重100㌔以上)を猟友会が駆除。現地は水田のまわりに住宅地が広がる地域。
2020年10月17日:同県加賀市山代温泉の中心部、10:00頃、高齢の男女3名が相次いでクマに襲われ頭や顔を負傷。命に別状はない。クマ(成獣♂、体長が1.2m)を猟友会が駆除。
2020年10月19日:7:50石川県加賀市作見町のショッピングセンターの搬入口からクマが侵入したと従業員から110番がある。同施設は臨時休業になり規制線が張られる。防護盾を持った警察や麻酔銃を手にした県職員らが同施設を包囲。防犯カメラやドローンを利用してクマの位置を把握する試みも実施。21:00頃に猟友会が倉庫の棚の下に隠れていたクマ(成獣♂、体長1.3m)を3発(2発とする報道もある)撃って駆除。
2020年10月22日:同県金沢市小池町にて新聞配達の男性(77)がクマに襲われる。左手をかまれ左手首を骨折するも命に別状はなし。クマは逃走し県警が捜索。
2020年10月24日:12:30同県小松市新町住宅街にいるクマを住民が発見し警察に通報。15:00警察がクマを確認。19:00前に県職員が麻酔銃で捕獲。怪我人はいない。
2020年10月29日:※10.30追記
6:30同県小松市西軽海町の、石川県小松市西軽海町の東陵小学校のグラウンドにクマが入っていったと、付近の住民から通報があった。警察や猟友会が付近を捜索。7:30頃に約200メートル離れた県立小松商業高校の敷地内のクマを確認。9:00頃に猟友会が駆除。生徒らに怪我はなし。
これまでの報道ベースで分かっている情報を整理しました。
この他にも目撃や捕獲事例が
あるようですので分かれば追記します。
石川県以外でも近隣の
新潟県ではクマ襲撃による死亡事故
群馬県ではクマによる負傷など
枚挙にいとまがありません。
なぜクマが増えているのか?
なぜクマが増えているのか、
様々な原因があると思います。
クマが主に食べるドングリなどの不足、
耕作地放棄による活動範囲の拡大、
野良犬の減少や狼の絶滅、
春熊(春の一斉熊駆除)の禁止、
それによる人を恐れないクマの増加、
などなど色々と理由があると思います。
個人的に猟師の数の増減はあまり
影響していないように感じています。
いずれ詳しく書こうと思います。
関連記事:
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感想
怒涛のツキノワグマラッシュだなと...。
猟友会も行政も警察も大変だと思います。
こういう時はリーダー役の
知事の存在が案外大切なので
石川県の知事を調べてみました。
谷本正憲知事って
7期も連続で知事をやっているんですね!?
石川県民にとっては
信頼のおける知事ということでしょうか。
それでしたら2004年、2010年の
ツキノワグマ大量出没時の対応を
知っている方でしょう。
ツキノワグマ対策について
誰に聞けばよいか、
どの部署がどう対応すれば
猟友会が動きやすいか、
警察との連携や調整など
把握しているでしょうから
やや安心ですね。
また、なんとなくですが
石川県の猟友会は行政と警察との調整が
うまく連携している印象があります。
コロナから回復傾向にある
石川県の観光産業を
なんとか持たせようと
猟友会・警察・行政が
三位一体で頑張っているようです。
今回の事件を見ても
猟友会の発砲が比較的住宅地の近くで
行われているようですが、
警察としっかりと連携して
齟齬なく運用しているように思います。
特に、
今回は猟友会メンバーがクマにより
二人すでに負傷していますし、
警察車両もクマに襲われて
パトカーのドアに爪を立てられたり
パンクしたりしているとのことなので
警察も猟友会も必死さが
報道からも伝わってきます。
2004年にツキノワグマが大量出没し
166頭を捕獲駆除した過去の経験が
今に活かされているようにも感じます。
石川県の皆様、安全第一でお過ごしください。
したっけぃ
石川県といえば芝寿し。食べて応援。
石川県のきんつばは世界一です、はい。