2019-08-17 No.425
ご訪問いただきありがとうございます。
北海道十勝のハンター
モーリーです。
2019年8月札幌市内をヒグマが
徘徊する事態が発生し、
その10日後に猟友会により駆除。
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平成元年まで実施していた
春の熊猟(春熊)を止めてから、
全国で熊の数が微増傾向にあり、
いよいよ熊と人の関係を見つめ直す時が
来たように思います。
熊と共存するも良し、
熊を駆除するも良し、
どちらにしても熊について
よく知る必要があります。
孫氏の兵法に
『相手を知り 己を知れば 百戦危うからず』
という言葉があります。
ヒグマについて、一緒に勉強していきましょう。
今回はヒグマの食べ物について
名前を聞いてもピンと来ないと思いますので、
画像と共にお届けします。
春
冬眠あけのヒグマは
基本的に山菜を食べます。
山菜を採りにきた人との事故が
発生する時期でもあります。
春のヒグマの植物を見てみましょう。
ザゼンソウ
[北海道十勝 ザゼンソウ]
北海道の春の雪解けを告げる植物です。
ヒグマの冬眠あけの食料確保が厳しい時期に
生え始めますので、ヒグマの大切な食料となります。
不思議な植物で、
哺乳類のように自身で発熱し雪解けを促します。
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イラクサ
[北海道十勝 エゾイラクサ]
イラクサも早春より芽を出す植物です。
ヒグマにとって大切な食料です。
イラクサは私にとっても大切な山菜で
湯がいておひたしにしてよし、
天ぷらにしてよし、
健康によしの素晴らしい山菜です。
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エゾニュウ
[北海道十勝 エゾニュウの枯れ茎]
エゾニュウとはとても大きくなる植物です。
ヒグマは大きくなる前の
エゾニュウを食料にします。
エゾニュウの画像がないので、
枯れ茎画像をお届けします。
前年のドングリやクルミ
[北海道十勝 雪解けの後に新芽を伸ばしているドングリ]
前年の秋に落ちたドングリやクルミは
雪解けとともに顔をだします。
それらも冬眠あけの
ヒグマにとって大切な食料です。
エゾシカの死体
[北海道根室 エゾシカの群れ]
雪の深い年の冬は餌を食べられず
春を待つ前に餓死してしまうエゾシカもいます。
そのようなエゾシカたちは
冬眠から覚めたヒグマたちの
春の餌になるケースもあります。
夏
夏はヒグマにとって試練の時期です。
一番食料の確保が難しい時期で、
この時期を超えられず餓死する個体も多くあります。
夏のヒグマの食べ物を見てみましょう。
アリ
あまり知られていませんが、
ヒグマはアリが大変好きです。
上記動画は知床で撮影した動画ですが、
このようにヒグマは重機のように地面を掘り返し、
土の中のアリを大量に食べます。
ザリガニ
[2019.6北海道上川 ニホンザリガニ]
ヒグマはザリガニも好きです。
できれば、
特定外来生物のウチダザリガニを
沢山食べてくれると嬉しいのですが、
残念ながら、
ヒグマはニホンザリガニを食べるようです。
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ヤマグワ
[北海道十勝 ヤマグワ 美味しい桑の実]
北海道では8月になるとヤマグワの木に
赤と黒の実をつけます。
とても美味しく、
私は子供の頃から今でも食べます。
アキタブキ
[北海道十勝 アキタブキ]
フキは春も夏もヒグマにとっても
大切な食料です。
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秋
秋はヒグマにとって冬眠に備えて
栄養を蓄える大切な季節です。
秋のヒグマの食料を見てみましょう。
サケ
[北海道十勝 十勝川を遡上するサケ]
ヒグマの秋の大切な食料は
やはりサケです。
しかし、残念ながら
堰堤や落差工などの河川構造物によって
北海道の多くの河川でサケの遡上が阻害されています。
サケが遡上できず、
ヒグマが獲れるサケが減り、
それに伴いヒグマのサイズも小さくなっています。
北海道開拓時代のヒグマはロシアやサハリンの
ヒグマのように巨躯だったと聞きます。
知床では堰堤や落差工が少なく、
岩尾別川沿いなどで、
ヒグマがサケを獲る様子が見られます。
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オニグルミ
[北海道十勝 オニグルミの実]
オニグルミの実の中にはクルミの種があります。
クルミはヒグマにとって大切な食料です。
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ドングリ
[北海道十勝 カシワのドングリ]
ドングリもクルミ同様に、
ヒグマにとって大切な食料です。
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ヤマブドウ
[北海道知床 ヤマブドウ まだ熟していない8月頃のヤマブドウ]
ヤマブドウもヒグマの大切な食料です。
ヤマブドウばかり食べるヒグマの糞は
とても香ばしい美味しそうな香りがするようです。
その糞の臭いをかいでみたいものです。
なお、ここでは紹介していませんが、
コクワ(サルナシ)もヒグマは大好物です。
小さなキュウイフルーツのような果実で大変美味しい。
このように、
現在のヒグマは基本的に野菜や果物が多めの雑食性で、
エゾシカやヒトを積極的に襲って
食べるようなことはありません。
札幌の南区や西区の山奥に
ヤマグワやドングリ、クルミ、ヤマブドウなどを
積極的に植樹すれば、
ヒグマがそこに留まり、
住宅街への侵入を軽減できるかもしれません。
したっけぃ