2021-02-23 No.689
どうも、北海道十勝のハンターモーリーです。
近所にヒグマらしき足跡がでたと
近所の野生生物専門家ID博士から
連絡がありました。
猟友会の重鎮たちも
すでに現場確認を行ったようです。
私も見に行ってきました。
その様子をお届けします。
ヒグマの目覚め
早すぎる目覚め
ヒグマの足跡がでたと
連絡を受けた時の感想は
「早すぎる」です。
時期はまだ二月の半ば。
ヒグマの冬眠明けは
普通なら3月中旬頃。
しかし、思い当たることもあります。
2月15-16日に巨大な低気圧が
北海道を覆いました。
低気圧は南の暖かい空気を巻き込んで
北方へ移動し、
北海道の冷気を一時的にも追いやります。
その暖気を感じたヒグマが
早々に冬眠から覚めた
というストーリーは成り立ちそうです。
しかし、
この時期に目覚めても
春の山菜が食べられるようになるのは
まだまだ先。
早春のヒグマは
ザゼンソウなどを食べますが
ザゼンソウも顔を出すまで、
あと一月は必要です。
もし、
この痕跡がヒグマだった場合、
エサを探せなかったヒグマが
より人界に近づかないか心配です。
関連記事:
ヒグマのコリドー
コリドーの役割
コリドー(corridor)とは
建築や地理、生物学などの専門用語で
【通路、回廊、廊下】の意。
キタキツネやエゾリス、エゾタヌキ
今回のヒグマなど
野生生物たちは川や防風林の
林や茂みを利用して移動することで
他の捕食者やヒトの目から逃れつつ移動します。
生物学では
このような川や防風林などの
野生生物の移動路を【コリドー】と呼びます。
コリドーで行動範囲を広げることで
他のグループとの交流や
近親交配の回避など
重要な役割を果たします。
町に野生生物が利用できる
コリドーの設置を都市計画に
盛り込んで欲しいものです。
コリドーを利用するヒグマ
今回のヒグマの足跡があった場所は
以前にもヒグマが利用した
痕跡がありました。
2019年12月には帯広市市内中心部で
ヒグマを駆除する事例がありましたが、
その際にヒグマがコリドーとして
利用したのが今回と同じルートです。
前回駆除した時は
複数の足跡がありましたが
獲ったのは一頭のみ。
今回の足跡はその時の生き残った
家族である可能性が高いと考えています。
関連記事:
ヒグマの足跡らしき痕跡
これが今回の連絡があった足跡です。雪も降る中で確認したので
ヒグマの足跡なのか否か、
ハッキリとしたことは分かりません。
覆う雪をはらい爪の跡がないか
確認しましたが、
見つかりませんでした。
足跡を追うと、
川近くの住宅街を歩き、
その後川に移動し、
そして畑の向こうへ足跡は消えています。
ヒグマの足跡
この足跡は春の山で撮影したヒグマの足跡です。
時期は4月。
これは爪の跡もハッキリと残り
ヒグマの足跡であると分かります。
このように比較的歩幅が
狭い間隔で足跡が残ります。
ヒグマの冬眠明けには
まだ早すぎですが、
北海道の春は確実にすぐそこまで
来ていると感じます。
今回のヒグマが
どうなるか分かりませんが
無駄な殺生はしたくないものです。
怖い猟友会の先輩たちに捕まらず
うまく逃げ切って欲しいと思います(;'∀') 。
したっけぃ
自動撮影カメラを購入しました。
届いたらコリドーに設置しますので、生物を撮影できたらこのブログで紹介します♪