2019-08-23 No.431
ご訪問いただきありがとうございます。
北海道十勝のハンター
モーリーです。
令和元年シーズン(2019年秋-翌春)、
北海道における国有林と道有林での
平日の狩猟が禁止されてしまいました…。
残念です。
令和元年の狩猟規制について。
国有林と道有林での規制
[2018.10北海道十勝 国有林]
これまで北海道での猟期の間は
ある程度の場所や期間の制限はありましたが、
基本的に平日土日関係なく
国有林や道有林での狩猟は可能でした。
しかし、2018年11月に恵庭市国有林内で
狩猟者が公務員を誤射する事故が発生。
国有林を管理する北海道森林管理局※が激怒し、
北海道国有林の猟師の利用を規制しました。
北海道もそれに追随し道有林も利用を規制。
※森林管理局:
農林水産省の外局にあたる林野庁の下部組織。
外局とは関連する庁局の中でも独立性の強い組織。
平成最後の北海道での狩猟は厳しく制限され、
昨年は巻き狩りに行くグループも減り、
北海道での狩猟は活気のないシーズンでした。
令和最初の北海道での狩猟も
活気に欠けるかもしれません。
関連記事:
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狩猟自粛その3 北海道森林管理局への3つの質問 安全な狩猟を目指して
考えられる影響
[2018.10北海道十勝 晩秋の山]
良い面と悪い面があると思います。
思いつくままに列挙してみます。
デメリット:
・狩猟の衰退
・インバウンド効果の減退
メリット:
・国有林や道有林の安全
・エゾシカやヒグマの安全
・新しい国有林の利用方法促進
でしょうか。
デメリット
・狩猟の衰退
平日の利用禁止とのことで、
退職して時間のある先輩猟師たちの
狩猟が制限されます。
やはり、狩猟の中心は仕事を辞め
時間もお金も沢山ある先輩猟師たちが中心なので、
彼ら彼女たちの活動が制限されるのは寂しいことです。
・インバウンド効果の減退
あまり知られていませんが、
北海道の狩猟にはインバウンド効果があります。
内地の猟師にとって北海道での狩猟は面白いようで、
冬の山を走っていると内地のナンバーのランクルを
時折見かけます。
「あぁ、埼玉からきてるんだなぁ」
「おぉ、習志野からきてるよ」など。
内地の猟師たちも昨年同様に
今年度も来道は敬遠するでしょう。
残念です。
メリット
・国有林や道有林の安全
やはり林業や工事関係者は安心するのでしょうか。
安心して仕事に打ち込んでいただきたく思います。
ちなみに国有林での狩猟による
猟師以外の死亡事故は2018年11月の前は
記録を探すの難しいほどに少なく、
1980年代に一件あっただけらしく、
ほとんどありません。
もっとも猟師同士の事故は死亡事故含め
結構多いです…。
・エゾシカやヒグマの安全
猟師である私が言うと矛盾しているように
感じるかもしれませんが、
個人的にはエゾシカやヒグマたちが
沢山いる山や森が好きです。
猟師たちの活動が制限され
エゾシカやヒグマの数が増えるのは
農業被害の事を考えなければ、
嬉しいと感じます。
・新しい国有林の利用について
狩猟が規制される今シーズンは
銃を使わない国有林や道有林の遊びかたを
考えてみようと思います。
土日は猟師が入林できるので心配かもしれませんが、
平日は猟師がいないため、学校の授業の一環として
山や森を利用してほしいと思います。
ドングリやクルミ拾い、
キノコ採取などとても楽しい授業になりそうです。
私の場合は、
秋の山に一人で入ると、
聞こえてくる音は
風の音と
自分が踏み歩く音のみ。
時折エゾシカの警戒する声や
走り去る音が聞こえます。
ヒグマの接近に気を付けながら歩く
秋の山道はとても楽しいものです。
貴方も秋の北海道探索に訪れて来てください。
平日なら私たち猟師もいませんよ。
したっけぃ