2021-12-16 No.913
どうも、北海道十勝のハンターモーリーです。
2021年12月17日、北海道札幌地方裁判所において北海道砂川市猟銃所持許可取り消し事件についての判決が出ます。
判決内容によっては、高裁や最高裁まで争う可能性もあり、17日に決着がつくか否かわかりません。
また、このブログに寄せられた情報によると原告と警察・公安委員会の間で和解の方向で話し合いが持たれているとの情報もありましたが、真偽のほどはわかりません。
判決前に事件概要を簡単に整理します。
事件概要
2018年8月 北海道砂川市において、同猟友会の有害駆除隊の2名(A氏とB氏)が砂川市職員1名と警察官1名の立ち合いのもと、同市内においてヒグマ一頭の駆除を行った。
2019年5月、二名の内A氏の猟銃所持許可が北海道公安委員会と砂川警察署により取り消しとなった。
そして、もう一名のB氏は北海道猟友会砂川支部幹部が出した除名勧告を受け退会。
2020年4月、A氏が申し立てた行政不服審査が棄却され、A氏は北海道公安委員会の処分を不服として札幌地方裁判所へ訴訟の方針を固める。
元市議会議員で猟師の人物が公安委員会と警察の処分を不服として訴えた裁判で、裁判自体も非公開で進むことが多く、裁判長が現場に赴くなど、珍しい進行で進んだ裁判となった。
2021年12月17日、札幌地方裁判所の裁判の判決が出る。
裁判の争点
今回の裁判は北海道公安委員会と砂川警察署の猟銃所持許可取り消し処分を不服とするA氏による裁判です。
争点は、2018年8月のヒグマ駆除の際の発砲が適切な安全管理の元で撃たれたか、否かを裁判所が判断します。
正直、猟の現場を知らない裁判長に判断を委ねるのが申し訳なく思う裁判です。
どのような判決が出るのか、全くわかりません。
もし、モーリーだったら発砲するのか?との問いには...
「50-60m先に家があるので、怖くて打てません。」と答えます。
記事を書くにあたり実際に現場に行きましたが、ちょっと家が近すぎる気がしています。
バックストップと呼ばれる弾を通らせない崖があると言われていますが、イメージとしては公園にあるような大きめな小山に笹や木が茂っており、その山の上に家があると思ってくれると良いかと思います。その山めがけて発砲したのが今回の事件です。
ですので、今回の裁判ではA氏の発砲した角度(仰角)が重要になってきます。しかし、A氏が発砲した仰角を証言できる唯一のB氏が証言人として呼ばれていないので、片手落ちの裁判だなと思うのです。
現場に臨場した警察官と市職員は離れた場所にいたので、具体的なことは何も分からないでしょう。
ただし、とにかく広い十勝平野の現場と、起伏の多い山に隣接した町の砂川市では駆除の対応も違うでしょうから、各現場の判断としか言えません。
裁判所としても類似事例も少なく、適切な判決を導くことは本当に難しい事件だと思います。
事件の争点
裁判の争点はA氏の発砲が適切か否か、そして公安委員会と警察の猟銃所持許可取消処分の撤回を争っています。
しかし、事件全体のの争点は他にあります。
3つあります。
一つ。A氏の発砲が跳弾となりB氏の猟銃を損傷させたのか?
二つ。北海道猟友会砂川支部はA氏とB氏の話が食い違っているのに、なぜB氏の弁明も聞かずに早々に除名勧告を行ったのか?除名勧告を行った砂川支部の幹部の中にはB氏の僚友もいたのにも関わらずです。
三つ。猟友会以外に猟師の受け皿が日本にはないこと。
私の過去の記事をご覧いただければ、多少は記しています。
全然まとまっていませんが。申し訳ございません。
この事件は明日の判決が出て、ある程度の落としどころを見つけるでしょう。
上にも書いたように、裁判自体は和解に至ったという情報が正しいのかもしれません。
しかし、私にはこの事件は全ての猟師の良心が問われている事件に思えます。
そして猟師が支える猟友会自体が制度疲労を起こし、その改革が進むきっかけとなる事件だと思えるのです。
私たち猟師はカラスやハト、キツネやヒヨドリ、シカを撃ちその肉を喰らう、撃たれた側からすれば悪魔のような存在です。
だらかこそ、せめてヒトには強く優しく、モラルとマナーを守り、地域の方々から愛される存在でなくてはならないと思うのです。
この砂川の事件の進み方は私が思う猟師像とは違う方向で話が進んでいるように感じます。
明日の判決は大きな意味を持たないのかもしれません。
判決の内容以上に、私たちハンターがどのように狩猟や駆除に向き合うのか、猟友会とはどうあるべきなのか、私たちハンター一人一人の姿勢が問われる事件なのかもしれません。
したっけぃ
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