2019-08-29 No.437
2019.7.16-8.5頃、
道東の標茶町の牧場において
ヒグマが侵入し放牧中の10頭以上の乳牛を
襲撃している(8/29現在進行中)。
標茶で発生している
ヒグマによる牛襲撃事件について。
事件概要
[2019.5北海道十勝 放牧中の乳牛たち]
2019年7月16日午後3時頃に
道東の標茶町オソツベツの牧場の放牧地において
血の跡を牧場で働く男性が見つけ、
男性が血の跡をたどると牧場脇の沢に
ヒグマを確認。
男性は大声を出すとヒグマは山中に逃走。
その近くではメス乳牛1頭が死んでいるのが見つかった。
傷跡などからヒグマに襲われて死んだと考えられる。
男性談、
ヒグマによるトウモロコシの食害は
これまでもよくあったが、
生きている牛が襲われたことはなかった。
近隣住民へ注意を呼び掛けるとともに
ハンターが出動して警戒態勢をとるも
ヒグマを駆除したとの報告はなし。
8月5日になり、別の標茶の牧場から
「放牧中の牛がいなくなった」と
役場に通報がある。
調査によると8頭が牧場からいなくなり、
3頭がヒグマによるとみられる怪我を負っているとのこと。
ハンターによる警戒や罠を設置して対応するも、
今現在(8/29)ヒグマは駆除されたとの報告はなし。
事件から見えること
札幌でも住宅地でのヒグマの徘徊事件があり、
標茶でも乳牛が襲われました。
関連記事:
【事故記録】2019.8札幌南区ヒグマ徘徊事件 概要と今後の対応
昨年は十勝でもヒグマによる
80頭以上の羊の襲撃事件がありました。
関連記事:
記録 2018年池田町ヒグマ ヒツジ80頭襲撃事件
ここ数年、ヒグマに関わる事件を
聞くことが多くなってきたように感じます。
山に餌がないという問題ではなく、
ヒグマが人を恐れなくなったと考えています。
理由は、
猟師の減少や
春熊※を止めて31年が経過し、
ヒグマが人を恐怖する機会が減ったことが
一因と考えられます。
※春熊:
冬眠中か冬眠あけのクマを
猟師が巣穴を探して駆除すること。
北海道では平成元年まで実施されていた。
冬眠あけのクマの胆嚢は肥大しており、
高額で取引されるため、猟師たちに
よって伝統的に行われていた。
北海道でのヒグマと人の関係は
もう待ったなしの状況になってきました。
したっけぃ