2020-07-01 No.616
どうも、
六花亭のマルセイバターサンド好きな
北海道十勝のハンターモーリーです。
電話
町で打ち合わせの帰りの午後、
ハードオフでキャンプ道具を物色中、
地元の猟友会の偉い人から突然の電話。
偉い人「街中の六花亭近くにエゾシカが出たから捕まえる。手伝ってくれ。銃はいらん。」とのこと。
私「了解!」車ですぐに現場へ。
町近くにいたので、電話から10分ほどで現場に到着。
現場近くに着くとパトカーと人だかりがあり、すぐに現場を特定できました。
車に置いてある軍手をはめ、ジーパンとYシャツの格好で現場へ。
近隣住民や警察官たち、市役所職員や動物園の園長など30人ほどが集まり、六花亭の隣の民家をぐるりと囲んでいます。
どうやら、その民家にエゾシカが逃げ込んだようです。
そばでは酔っ払いも騒いでおり、警察官が対応。警察官は大変だなぁ...と。
捕獲作戦開始
先に来ている猟友会のメンバー二人と野生動物担当の市役所職員と動物園の園長に挨拶し、私の到着後すぐにエゾシカ捕獲作戦が開始されました。作戦は網でエゾシカを包囲して捕まえ、捕獲後に山へ移送し解放する手順。
ターゲットは民家の庭の木の下にいました。
小柄で恐らく1歳のオス。
小柄といっても、高さは120cmほどで、体重も60kgほどはあるでしょうか。
角はまだ小さい袋角の状態ですが、突進されたら痛いでしょう。
市役所職員からヘルメットを渡され、エゾシカが逃げ込んだ家の庭に壁を乗り越えて入ります。
壁を乗り越えるのは動物園の園長と私を含め猟友会3名の計4名。
民家の壁の周りには、警察官や市職員が10名ほどでエゾシカが民家から逃げ出さないように網を広げて囲っています。
網で鹿を捕まえる難しさ
4人で網を広げエゾシカの捕獲を試みます。
ジリジリッと網でエゾシカを囲んでいきます。
民家の庭なので植物が植えてあり、踏まないように進むのが難しい状態。
民家の中から家主が植物を踏まないか注視する視線を感じます...。
エゾシカと私との距離が1mほどに近づきます。
その瞬間、ピョンとエゾシカは網の脇を、我々を押しのけて突破していきます。
そんな鹿との押し問答のような状況を数回繰り広げました。
そして、鹿は遂に民家の庭から脱出してしまいます。
周囲で見ていた近隣住民は「キャー」と言いつつ楽しそう。
その瞬間、突破された付近に待機していた市職員と警察官がエゾシカに飛びついて取り押さえます!
ナイス!!!
流石の野生動物も5名の人間に押さえ込まれれば、身動きできません。
動物園の園長と猟友会我々もすぐに民家の壁を乗り越え、取り押さえたエゾシカを紐で縛り上げます。
捕獲完了。
結局、捕獲したのは若い市職員1名と警察官4名でした。
お疲れ様です。
この後は、私のトラックで移送することになり、私は一度帰宅してトラックを持ってくる話になりました。
しかし、雨が強くなり、私のトラックを待つのが大変になったため、警察のバンで山まで移送し開放することになったようです。
私はそのまま直帰になりました。
以上がエゾシカ捕獲の顛末です。
学び 車にロープを積んでおく
網で鹿を捉えることが大変難しいことだと分かりました。
この件で学んだことは、ロープがあれば鹿の首に輪投げのよう感じで捕獲できたかもしれないということです。
これからは車にロープを常に置いておくことにします。
シカがいる街を
帯広川がコリドーになる
話を聞くと、今回のシカは当初は親子2頭でいたようです。
人に追われる中で親は逃げ、その小鹿が今回の捕獲対象となりました。
帯広市には帯広川やウツベツ川という市内を流れる川があり、それらの川に沿って街中に移動してきたと、私は考えています。
昨年、帯広市内の小学校にヒグマが出没した経路もウツベツ川であったと言われています。
関連記事:
このように動物が移動する経路として川や防風林を利用しますが、そのような経路を【コリドー】と言います。
コリドーが沢山ある土地は野生動物にとっても住みやすい土地といえます。
他の土地との交流もし易く、繁殖相手も多様になりますので、遺伝的な多様性もコリドーによって促されます。
気にしない気にしない 一休み一休み
今回思ったのは、街にシカがいることを気にしないで欲しいという事です。
鹿は悪さをしません。糞をするくらいでしょうか。
クマなら話は別ですが、シカが街にいても困りませんよね。
奈良県に至っては、その鹿を観光資源に利用しています。
住民が行政や警察に通報すると、役所はどうしても対応しなくてはならなくなります。
放っておいて問題ありません。
鹿や熊がいても悪さをしない限り、『気にしない気にしない、一休み一休み』と一休さんも言っていました。
野生動物と人との共存共栄、折り合いのつけ方を模索することもこのブログの目的の一つです。
鹿が町にでても、役所や警察には言わないで放っておきましょう。
鹿はその内、山に帰ります。
あの若いオスジカが、再び親鹿に出会えることを祈って終わりにします。
したっけぃ