2025-04-12 No.1156
どうも、北海道十勝のハンター モーリーです。
2023年10月、長野県飯山市において猟師が罠にかかったクマの反撃により死亡した事故がありました。
この事故のことは知らなかったのですが、2025年4月の同市でのクマ襲撃事件を調べていた際に気が付きました。
私自身、くくり罠にかかったエゾシカを止めさししようとした際に鹿の足で腕を蹴られたケースがありました。
幸いたいしたことがなかったのですが、雄ジカでしたので角で反撃されていたら危なかったと思います。
罠にかかったクマからの逆襲により命を落としてしまったという事故を他山の石として戒めたい、そう感じます。
事件概要と感想を整理します。
関連記事:
事故記録 2025年4月長野県飯山市ツキノワグマ男女3名襲撃事件
事件概要
日時
2023年10月14日 6時頃
場所
長野県飯山市旭の山林
長野県飯山市が山々に囲まれ、妙高戸隠連山国立公園が隣接するなど自然豊かな土地であることが分かります。
訪れてのんびり温泉にでもつかりたい土地ですね。
内容
2023年10月14日6時すぎ、長野県飯山市旭の山林で罠(おそらく、くくり罠)にかかったクマの近くで男性が死亡しているのが見つかった。
死亡していたのは男性A(80歳)で、家族には「イノシシの罠を見に行く」といって、前日から行方が分からなくなっていた。
男性の頭部にはクマの爪痕があった。
罠にかかっていたクマは体長約130cmのメスの成獣。
その後、そのクマは駆除された。
参考サイト:
感想

[2024.7北海道十勝 捕獲されたヒグマの足 なまら大きかった]
このケースはイノシシをくくり罠で取ろうとしたら、ツキノワグマが罠にかかってしまい、不用意に近づいたら反撃を受けたケースであると考えられます。
くくり罠にかかった動物は逃げようと暴れますが、その内疲れて地面に座ってしまいます。
そうすると、罠に近づいて確認しないと罠にかかっているか否か、何がかかっているのか、草が茂り分かりにくい現場もあります。
双眼鏡で遠くから確認してから罠に近づくと言う方もいますが、現場では杓子定規にはいかないのも事実です。
大抵のケースでは、人が近づくと立ち上がって逃げようとしたり威嚇したりしてくるので、罠に20-30mほど近いた時点でかかっているか判断できます。
このケースでは、恐らくイノシシがかかったと思って近づくとツキノワグマであり、その反撃範囲がイノシシよりも広かったということなのでしょうか。
死亡した男性の頭部に爪痕があったということなので、不用意に近づき過ぎたのだと思います。
私自身も、くくり罠にかかったエゾシカに近づいて電気槍やナイフで止めさしする際にエゾシカに蹴られたことがあります。
この事件、まったく他人事ではありませんので罠の確認の際はいついかなる時も細心の注意を怠らないように努めたいと思います。
なお、北海道ではヒグマの罠は箱罠という大きな鉄製の箱型の罠を使用しています。
くくり罠はクマの足にはかからないサイズ(12cm以内)のみを使用することとなっているので、北海道ではくくり罠にはヒグマは基本的にはかかりません。
しかし、子熊はかかる可能性はありますし、子熊がかかると近くに母親クマもいるはずです。
本当に気を付けて罠の確認を行いたいと思います。
最後に、亡くなられた先輩猟師に対しご冥福をお祈り申し上げます。
したっけぃ