2023-12-09 No.1034
どうも、北海道十勝のハンター モーリーです。
先日猟へ行くとオオワシがいました。
距離は300mほど、カラマツの樹上20m付近にとまっています。
ここは海から50kmは離れた内陸部。
オオワシの英名は "Steller's sea eagle"【ステアーの海の鷲】の意。
英名を聞くと気が付くことがあります。
オオワシは英名に"sea"【海】と付くので、基本的には海の鳥であること。
そしてもう一つが、Steller'sって何だろうとういうこと。
今回はなぜ海の鳥であるオオワシが内陸部にいるのか?
そして、Stellerとはなんなのかについて整理します。
オオワシが内陸部にいる理由
オオワシが海岸近くにいることは十勝の冬の日常ではありますが、内陸部に入り込むことも時折ありますが珍しいことではあります。オオワシが内陸部に入り込む理由は一つ。
そう エサがあるため です。
例えば十勝川には多くのサケが遡上しますが、千代田堰堤や千代田新水路に阻まれ多くがそこでホッチャレ(鮭の死骸)になります。
サケが約4年間の旅を終え故郷の川に遡上してきて産卵を終えて力尽きたサケをホッチャレと呼びます。
普段は海の近くにいるオオワシはこのホッチャレを目的に内陸部まで入り込みます。
今回みたオオワシもホッチャレが目的なのかもしれません。
ただし、今回の場所は川からもやや離れた場所です。
では、なぜオオワシがそこにいたのか。
それは 私がいるから です。
どういうことかというと、ハンターがいるからです。
例えばハンターが半矢(撃ち漏らして傷を負った獲物)して弱ったエゾシカをオオワシが襲ったりします。
ハンターが獲ったエゾシカの内臓をその場で捨てることもあるので、その内臓を狙う例などもあります。
そんな感じで冬の北海道ではハンターいるところにオオワシあり、という事もあるのです。
そう、オオワシはこんなことを考えているのです。
「うむっハンターであるな。しっかりエゾシカを獲って私に上納肉を寄こしたまえ。」
「でも、あのもの下手そうだな...。ほかの上手そうなハンターを探すとしよう。場所移動するべし。」
という感じで思考しているのだと思います。
私と目が合ったオオワシは、私の技量を見抜いたのかすぐに飛んでいきました。
そして私の猟果はボウズ...
オオワシのハンターの力量を見抜く目は大したものです。
ちなみにオオワシの大きさは翼を広げると2m以上あります。2.5m程度。
大谷正平よりも、中型のヒグマよりも大きいのです。
オオワシは本当に雄大で美しい生物なのです。
関連記事:
オオワシやオジロワシが十勝内陸部にいる理由 海と陸を繋ぐもの
参考サイト:
ここのサイトのイラスト、下手ですが分かりやすい良い絵を描きますね。
英名"Steller's sea eagle"【ステアーの海の鷲】のステアの意味
さて、オオワシですが、英名は"Steller’s Sea Eagle"。このStellerはドイツの博物学者Georg Wilhelm Steller(ゲオルク・ウィリアム・ステラー)(1709.3.10-1746.11.14)にちなんでつけられた名前です。
ドイツ出身のステラー氏はロシア帝国の博物学者となり、ヴィトウス・ベーリングの遠征隊に随行し、カムチャッカ半島やアリューシャン列島を探査。
かの地に暮らすステラーカイギュウやオオワシなどの海の動物や海鳥の存在を世界に知らせました。
Stellerとはこのドイツ人の博物学者のことだったのです。
ちなみに、私の家系は第一次世界大戦後に北海道へ畜産の指導に来ていたフレデリック・コーホーの末裔です。
フレデリックの娘が現地の畜産家の息子と結婚して北海道に住み着ついたそんな一族なので、ドイツ人は私にとって近しい存在。
ひょっとしたら、ステラーさんも私の遠縁にあたる、そんなこともあるのかもしれません。
フレデリック・コーホーの功績についてもいずれこのブログで紹介できればと思います。
では、温かくしてお過ごしください。
Tschüss(チュース)【さようなら】のドイツ語の意。
したっけぃ