2018-08-31 No.275
どうも、モーリーです。
今日で8月が終わり、明日から9月。
寂しいです…。
今年の北海道は夏らしい日もあまりなく
夏は儚く終わりました。
儚いといえば、
細く弱弱しいカゲロウです。
川で生き物を探していると
カゲロウがいました。
カゲロウは
儚く弱弱しいイメージがありますが、
生命史40億年の中で、
最初に大空へ飛び出した
チャレンジャーです。
今回はそんなカゲロウについて紹介します。
カゲロウの生息場所
[2018.7北海道十勝 札内川 清流日本一に何度も選定されている河川]
カゲロウは幼虫時代を川で過ごします。
きれいな川や池を好み、
石の表面や落ち葉などの隙間で生活します。
[2018.8北海道十勝 札内川の湧水の様子]
カゲロウを捕まえた札内川の湧水の様子です。
このような湧水がいたるところで見られます。
水の中で湧き出る湧水は、
酸素を含み、水質も良く、
きれいな水を好む水生生物にとって
うれしい環境です。
カゲロウもこのような湧水がある
周辺で多くとれます。
カゲロウの幼虫
[2018.7北海道十勝 札内川 エルモンヒラタカゲロウ]
[2018.7北海道十勝 札内川 オオマダラカゲロウ]
[2018.7北海道十勝 札内川 マダラカゲロウの仲間]
[2018.7北海道十勝 札内川 ヒラタカゲロウの仲間]
川でとれるカゲロウの幼虫は
様々な種類がおり、
なかなか見分けることができません。
基本的には、
両前足をガッツポーズしており、
平べったい姿をしています。
石に張り付いていることが多く、
川底の石をよく観察すると、
見つけることができます。
カゲロウの中でも、
ヒラタカゲロウの仲間は
きれいな川に生息します。
ヒラタカゲロウがいる川は
きれいな川であると判断できる
指標生物になっています。
きれいな水の指標生物は他にも、
アミカ・ウズムシ・カワゲラ・サワガニ・ナガレトビケラ・ヒラタカゲロウ・ブユ・ヘビトンボ・ヤマトビケラ
などがいます。
水生昆虫をもっと知りたいという方は
以下のハンドブックから始めてみてはいかがでしょう。
良さげです。
私は先ほど買いました。
生活史
[2017.7北海道十勝 機関庫川 カゲロウ亜成虫 川沿いで採捕]
上記の画像は、
カゲロウの亜成虫の様子です。
カゲロウの一生は半年から一年ほど。
川で藻や他の水生昆虫を食べ
脱皮を繰り返し、
初夏の頃の夕方に、
蛹にならずに羽化します。
羽化する場所は水中や水面が多く、
初夏の夕刻に川を見ると、
いたるところに水面に波紋が広がる光景が見られます。
それがカゲロウたちの羽化の様子です。
羽化したものは亜成虫となり
飛び立ち別の場所で脱皮を行い、
最終的に成虫になります。
成虫なると1日か長くても数日で
寿命を迎えます。
その間にパートナーを見つけ、
次世代へと命を繋いでいきます。
カゲロウのように蛹にならず変態することを
不完全変態と呼びます。
カゲロウ以外にもセミやトンボ、バッタなども
不完全変態により成虫になります。
3億年前 最初に空へ飛び出した
[2017.7北海道十勝 機関庫川 カゲロウの亜成虫]
今からおよそ3億年前は
石炭期と呼ばれる時代でした。
植物が豊富な時代で、
酸素濃度も30%もありました。
現代は21%です。
そんな頃、
生物史上最初に空を飛び始めたのが、
パレオディクティオプテラなど
カゲロウの先祖たちです。
彼らは40cm以上あったので、
私たちが見ても
初見はカゲロウには見えないことでしょう。
余談ですが、
現代私たちが火力発電などで使っている石炭は
石炭紀の植物が地中に埋もれたものを利用してます。
カゲロウを儚い生き物と私たちは言います。
でも、本当に儚い生き物はカゲロウよりも
私たちホモサピエンスなのかもしれません。
カゲロウは3億年前に空へ飛ぶことで、
生き続ける手段を手にしました。
私たちホモサピエンスは
数万年前に知恵を獲得しましたが、
3億年先まで生き続ける本当の知恵を獲得しているのか怪しい感じです。
せいぜいあと数十万年がいいところかな、などと思います。
私たちの種が、
そしてこの文明は
どうなっていくのでしょうね。
このブログを通じて
貴方と一緒に勉強できれば幸いです。
したっけぃ