2019-10-10 No.480
お仕事お疲れ様です。
北海道十勝のハンター
モーリーです。
山を歩いていると
雪虫が飛んでいました。
雪虫は雪が降る前に現れる
綿のような虫です。
内地にはいるのでしょうか?
とてもか弱い虫で、
捕まえる時は潰さないよう
フワッと捕まえなくてはいけません。
腕の振りは早くもなく遅くもなく
フッと捕まえるのがコツです。
雪虫を怪我させずに
捕まえるのは案外難しいものです。
雪虫のいる場所と一生について
お伝えします。
雪虫の季節
[2019.9北海道十勝 初雪が降った大雪山]
令和最初の北海道での初雪は
9月18日です。
それから3週間ほどが経ち
地上では雪虫が見られる時期に
なりました。
雪虫は
カメムシ目アブラムシ科に属する
トドノネオオワタムシ
Prociphilus oriens
という虫です。
名前の由来は
トドマツの根にいる
大きな綿の虫の意。
一年間を5-6世代の
代替わりを経て過ごし
世代によって棲む場所も
役割も異なります。
私たち人もこの雪虫から
学べることがあると思います。
そんな雪虫の生活を
調べてみました。
雪虫(トドノネオオワタムシ)の生活
[2019.10北海道日高 雪虫=ドドノネオオワタムシ]
雪虫は
春夏秋冬の一年を
5-6世代の世代交代を
経て生活しています。
棲む場所も違い
夏から初秋はトドマツで生活し
晩秋冬春はヤチダモで生活し
樹液を吸って生活しています。
私たちが見ている雪虫は
秋にトドマツからヤチダモに
飛んで移動している
トドノネオオワタムシの様子です。
ヤチダモ
[2019.6北海道十勝 ヤチダモ]
ヤチダモです。
春の4月、
卵からふ化した雪虫は
ヤチダモの葉まで登り、
樹液を吸います。
そこで子を産みます。
その子に羽ができ、
6月頃にトドマツへ飛翔します。
ところで、
初夏に白い綿をつけた羽虫を
私は見たことがないので、
恐らく6月頃の飛翔移動個体は
普通の小さな羽虫の姿で
私が認識できないのだと思います。
トドマツ
[2019.6北海道十勝 帯広の森 トドマツ林]
トドマツ林です。
6月頃にトドマツにたどり着いた
雪虫はトドマツの根の辺りで
蟻たちと共生しながら
世代を重ねて秋を待ちます。
やがて9月下旬になると、
根から地上へ這い出し、
白い綿を身にまとった雪虫になり
ヤチダモを目指して飛翔します。
このように一年の間でも
数世代を経ながら
雪虫(トドノネオオワタムシ)は
生活しています。
世代によって棲む場所や
役割が違う雪虫。
自分の目の前しか見ていない
私たち人よりも雪虫の方が
賢いかもしれません。
したっけぃ