2025-05-21 No.1161
どうも、北海道十勝のハンター モーリーです。
いかがお過ごしでしょうか。
先日山を歩いていると笹がめくれ、土が盛り上がってる場所を発見。
毎日、見回っている場所なので前日にはありませんでした。
「ハッ?!あれだ!」
土饅頭(どまんじゅう)です。
※土饅頭の呼び方ですが「どまんじゅう」、「つちまんじゅう」、「クマまんじゅう」など色々あるようです。ここでは「どまんじゅう」とします。
土饅頭とはヒグマはシカの死体など一度に食べきれない大きな餌を手に入れると、土や木の枝葉などの周りにある物をかぶせて盛り上がっているように見えることから土饅頭と呼ばれています。
ヒグマはしばらくその付近に留まりつつ土饅頭の獲物を時間をかけて捕食します。
ゴールデンカムイという漫画で知っている方もいるかもしれません。
それっぽいものは見たことがありましたが、明らかな土饅頭は初!
しかもできたのは前日午後か、つい先ほどか?
周囲を警戒し撮影。
林の向こうからあっちいけという感じで「グルグルグル〜」とヒグマらしき声も聞こえます。
こりゃイカンとすぐに撤退。
発見した日から毎日土饅頭を観察しにいきましたので、その様子をお届けします。
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[2025.5北海道十勝 笹薮が一部土に覆われている]
これだとよく分からないと思いますが、この土の下にエゾシカが埋まっています。
土饅頭に近づくと林の奥から「グルグルグル〜」と声が聞こえました。
まずいと思いすぐに撤収。
糞も土饅頭のすぐ隣にありました。
普段はヒグマの糞があった場合は、内容物を調べるのですがこの時は無理でした。
[2025.5北海道十勝 土饅頭 エゾシカの背中が一部見えている]
エゾシカの背骨が見えています。
内臓の様子は見えていませんので、分かりませんが、最初に内蔵を食べると聞いたことがあるので、内臓の美味しい部分は既に食べられているのかもしれません。
ヒグマの気配はあまり感じません。
ヒグマの気配はなく、おおきな変化はないがエゾシカが徐々に食べられている状況。
ヒグマ以外にもキタキツネやカラスが食べているようだ。
ヒグマの気配はほぼない感じです。
[2025.5北海道十勝 土饅頭 エゾシカはすでに骨と皮になっている]
ヒグマの気配はない。
エゾシカもすでに骨と皮になっている。
[2025.5北海道十勝 日数が経過した土饅頭]
完全に骨と皮だけになっています。
以上、土饅頭ができた初日から獲物が骨と皮になるまでの経過でした。
土饅頭ができてから6日目でヒグマの気配は消え、エゾシカもほぼ骨と皮になりました。
良い観察ができたと思います。
一頭のエゾシカがヒグマやキタキツネ、カラスやオジロワシなどの糧になる。
そこからシデムシや更に小さな分解者たちによって骨も皮も分解され、土に還る。
自然の理の一端を見学させていただきました。
関連記事:
ヒグマ肉の味 ヒグマを解体する際の3つのポイントとヒグマ肉の味の感想
参考サイト:
北海道新聞社 ヒグマ「土まんじゅう」からエゾシカ掘り出す 芽室の野崎さん動画撮影
ここで貴方と共有させていただきます。
したっけい
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近くにヒグマが見張っているような環境で、10日間も土饅頭の観察を続けてきましたね。
仕事の一環でしょうか?
隠した獲物を横取りされないよう、ヒグマも注意している中、お疲れ様でした。
道東在住の作家、川﨑秋子の小説「肉弾」(19年第21回大藪春彦賞)(主人公が父と摩周湖の原生林に羆猟へ行き、父がヒグマに殺害され、野犬の集団と協力してヒグマと闘う)に、父が土饅頭になる描写があり、戦慄を覚えました。
河崎秋子は、明治期の白糠町の猟師を描いた「ともぐい」で24年上期の直木賞を受賞し、道東の厳しい自然と動物を題材とする小説を得意とする作家で、注目しています。
迫力と面白さは、「肉弾」が優れています。
十勝地方の地震のコメント、名前を落としてしまったのですが、私です。
ミウル様
コメント、ありがとうございます。
はい、郊外や農地のパトロールも仕事の一環です。
今回は土饅頭を興味深く観察できました。
ヒグマに限らず人も車もそうですが、距離感が大切だと思っています。
今後も距離感を怠らずに意識して現場に望みたいと思います。
河崎秋子さんの「ともぐい」は是非読みたいと思っていました。
読書後に感想など、このブログで書きたいと思っています。
ちなみに河崎秋子さんはお会いしたことはありませんが、近所の方のはず。
地震の際もお気遣いありがとうございます。
十勝沖地震は頻発しておりますので地震には慣れてはいます。
ただし、実は最近、エゾシカの動向がおかしいです。
大きな地震が近づいているのかもしれないと一人心配してもいます。
なお、ヒグマ関連ですと、ニュースにしても、SNSにしても少し騒ぎすぎであると感じています。ヒグマは怖い動物ですが、閲覧数を稼ごうするのか、大げさで恐怖を煽るような記事内容が多い印象を受けています。このブログを通じて、ヒグマとの適切な距離感さえ確保しておけば、人とヒグマは適切な関係を築けることができる間柄であることを感じとって欲しいと思います。