2021-04-05 No.726
どうも、北海道十勝のハンター モーリーです。
日高にあるアポイ岳に登ってきました。
アポイ岳とその周辺は
地質や地形的に重要な地域であり、
景勝地としても優れていることから
2015年からユネスコ世界ジオパークに
認定されています。
学生の頃は山岳部所属、
また、山小屋の管理人としての
アルバイト経験もある私が
アポイ岳での登山の様子をお届けします。
参考サイト:
ユネスコ世界ジオパークと日本ジオパーク
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アポイ岳は810mと低標高ながら
高山植物が多く生育し山頂付近一帯は
特別天然記念物に指定されている
アポイ岳高山植物群落が広がっています。
行程だけみると
初心者向けの山と言えます。
ですが
高山植物や景観、地質的価値を
勘案すると日本屈指の山とも言えます。
広葉樹林も混じり、針葉樹が多い
針広混交林を形成しています。
その山林にクマゲラやオオアカゲラ、
カケスやヤマガラなど多くの
野鳥たちが姿を見せてくれます。
5合目までは高低差も少なく
足や膝に心配がある方も登れると思います。
5合目までくるとアポイ岳独特の
かんらん岩がある景観や
広々とした景観が見えるようになります。
足や膝に不安がある方でも
ゆっくり登れば大丈夫だと思います。
ただし、登山は下る時に足首や膝に
特に負担がかかるので、降る時は
トレッキングポールを使って
ゆっくりとしっかりと降りましょう。
時折マムシもいるようなので
出会えると幸運ですね。
よろしければご覧ください。
馬の背お花畑につくと
右手に太平洋
左手に日高山脈
足元に高山植物たち
そして、かんらん岩が散在する
アポイ岳独特の景観が望めます。
足や膝に不安がある方は
ここをゴールとしても良いと思います。
ここから先は頂上まで急勾配なので、
足腰に自信のある方が進みましょう。
無理はしないのが山の鉄則です。
ここで不思議なのは普通の山は
ハイマツより上は森林限界になり
樹木が生えません。
しかし、
この山ではハイマツ帯が終わると
再びダケカンバが生えています。
山頂はダケカンバに覆われており
幹や枝が邪魔をして山頂からの景観は
それほど良くはありません。
その代わりダケカンバ林が
風除けになり、頂上でゆっくりできます。
森林限界を超えた
山頂付近のダケカンバ林について
ビジターセンターの方に聞いても、
「分かりません。謎なのです。」とのこと。
不自然なこともあるものです。
以上がアポイ岳の登り行程です。
早い人なら登って降って2-3時間、
私は体力不足&撮影などもあったので
7時間かかってしまいました。
人のペースを気にせずに
自分の足腰と相談しながら
マイペースで登りましょう。
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アポイ岳の魅力に
固有の高山植物の存在があります。
一方、大きな課題は高山植物たちの盗掘です。
ビジターセンターの話によると
特に1990年代に
ヒダカソウなどの盗掘が頻発し
アポイ岳の高山植物は
甚大な被害を受けたといいます。
今現在、アポイ岳における保全活動は
同ビジターセンターではなく
アポイ岳ファンクラブという
いち任意団体が中心になっているようです。
同クラブが定期的な登山を行い、
・高山植物の生育状況確認
・高山植物の盗掘監視
・登山道の維持管理
・清掃活動
・同ビジターセンターへの報告
などを行っているようです。
しかも、手弁当で。
ビジターセンターや自治体から
同クラブへの助成金などはないのか
確認すると、ほぼ同クラブの善意で
運営を賄っているようです。
ユネスコ世界ジオパークである
アポイ岳を守っているのは
自治体やビジターセンターではなく
一般の任意市民団体でした。
同ビジターセンターの
学芸員の方とも話ましたが
情熱があり優秀な方だったと思います。
ただ、アポイ岳により必要なのは
盗掘に目を光らせ
アポイ岳の保全を現場で担い
フィールドワークをこなせる
レンジャー的立ち回りの方かなと感じました。
参考FBページ:
アポイ岳ファンクラブ
貴方もぜひアポイ岳までお越しください。
2021年は日高の春は暖かく
高山植物の見頃も例年よりも
1-2週間ほど早い進行だそうです。
2021年のアポイ岳の高山植物は
5月連休から連休後頃が一番の見頃とのことです。
それではアポイ岳で会いましょう。
関連記事:
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したっけぃ