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事故記録 2023年4月厚岸ヒグマ襲撃事件 ヒグマと遭った時は【あさはゆき】

2023-04-02 No.1001

どうも、モーリーです。

北海道厚岸町においてヒグマによる襲撃事件が発生したので整理して報告します。

 

なお、2021年にもヒグマによる襲撃事件がありました。
この時のヒグマが獲られたと聞いていませんで、同個体による襲撃の可能性もあります。

関連記事:

事故記録 2021.4北海道厚岸町山菜取りヒグマ遭遇死亡事故 事故概要と冬眠明けのヒグマのエサ

 

以下に整理します。

 



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事故概要

日時

2023年4月1日 8:20頃

場所

北海道厚岸町太田

内容

2023年4月1日8:20分、北海道東部の厚岸町太田の農道で犬の散歩中の女性(30代)がクマに襲われた。

警察によると、女性は意識はあるものの、頭や太ももをかまれて大けがを負った。

ドクターヘリで釧路の病院に搬送された。

犬は無事との未確認情報がある。

現場は厚岸湾から内陸に3キロ余りの牧場地帯で、周辺を地元のハンターや町の職員が捜索を行いましたがクマは見つかっておらず、警察がパトカーを出して警戒した。

防災無線を通じて周辺住民に注意を呼びかけている。

厚岸町の現場では、町役場の職員がクマが出没したことを知らせる看板を設置して注意を呼びかけている。

厚岸町環境林務課の真里谷隆課長は「今シーズン、町内で初めての被害だ。山菜採りでは1人で山に入らないことやクマ用の鈴を持ち歩くなど対策をしてもらいたい」と話している。

現場近くで1人暮らしをしている85歳の女性は「警察から家から出ないように言われたので、玄関の鍵を閉めてきょうは家から出ないことにしました。以前からクマが出るとは言われていましたが、早く捕まってほしいです」と話している。

また、厚岸警察署はパトカー4台を出して警戒にあたり、現場付近でも赤色灯を回しながらパトロールしている。

 

北海道内では1日、全道的にクマの目撃が相次いでいる。

北海道では「春のヒグマ注意特別期間」として、山に入るときは2人以上で行動するなど、注意を呼びかけている。

北海道によると、道内でヒグマに襲われた被害者は平成元年からことし1月末までに58人にのぼり、月別でみると、4月と5月の被害者はあわせて19人と全体のおよそ3割に上っている。

この期間は、ヒグマが冬眠から覚める時期と山菜採りのシーズンが重なって被害が多くなる。

具体的には山に入るときには事前に道や市町村のホームページでヒグマの出没情報を確認し、クマよけの鈴や笛など音の出るものを鳴らして2人以上で行動すること、ふんや足跡を見つけたらすぐに引き返すことを呼びかけている。

北海道の野生動物対策課ヒグマ対策室は「2023年は雪どけが早く、ヒグマが早く活動を開始することが予想される。山では大きな声を出したり手をたたいたりすることでもヒグマとの遭遇の確率を減らすことができる。ヒグマに遭遇しないよう十分に気をつけてほしい」と話している。

以上

 



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ヒグマに遭った時は【あさはゆき】

[2021.8北海道三毛別 三毛別のヒグマの展示物]

北海道ではヒグマと遭遇することも稀にあります。

地域によっては日常茶飯事な場所もあるかと思います。

私も大体年に1回程度は遭遇します。

ヒグマと遭遇したらどのように対応するのが良いのか色々と思います。

銃を持っている時であったり、トレッキングポールを持っている登山中であったり、丸腰の山菜取り時では対応も変わってくると思います。

 

先日、羅臼でトイレに立ち寄ると上記のポスターが張ってありました。

旅行者等に向けた、ヒグマが多い知床でのヒグマとヒトが共生するための啓発ポスターです。

この内容がヒグマと遭遇したあらゆるケースのベースになると思いましたので共有します。

 

 

ヒグマと人間のくらし

[2023.3北海道知床 ヒグマと人間のくらし啓発ポスター あさはゆき]

「ヒグマは山で暮らし、人は町で暮らしていけるように、平等で暮らせるようにご協力をお願いします。」

「熊をたまに見かけますよね。皆さんは【あさはゆき】をご存じでしょうか。【あさはゆき】を守れば、ヒグマとの関りが繋げます。」

「これらを守れば熊に遭っても安心です。」

「熊も羅臼町や色々な場所に暮らしています。羅臼の野生鳥獣ために、やさしくしてください。」

「熊の食べ物。トウモロコシは特に大好物なので、外で食べないようにしましょう。」

「熊の特徴。耳・鼻がとても良いです。鹿の真似はしないようにしましょう。」

 

ヒグマと自他共栄で生きていこうとする、羅臼の方々の思いが伝わってくる素晴らしいポスターだと思いました。

では、【あさはゆき】について説明します。

 

あさはゆき

あわてない

 

さわがない

 

はしって逃げない

 

ゆっくり下がって

 

きちんと知らせる

 

あさはゆき

あわてない
さわがない
はしって逃げない
ゆっくり下がって
きちんと知らせる

ヒグマと遭遇しても落ち着いて行動すること、少しずつ距離を獲る方法、安全を確保してから他の遭遇が発生しないよう警察や近所に知らせること。

ヒグマと共生する羅臼の方々の知恵なのでしょう。

 

この心得はヒグマ遭遇時を想定したものですが、日常の事故や仕事でも応用できる心得かもしれません。

交通事故を起こしてしまったり、仕事でミスをしてしまったり。

まずは慌てない騒がない、そして落ち着いて報告する。

私も日頃からの心掛けとしたいと思います。

 

参考サイト:

ヒグマ研究室

 

以下の動画は手前味噌ですが、私がヒグマと遭遇した時の様子です。

【あさはゆき】の実践ができた事例かなと思いますので紹介します。

 

なにかあった時は【あさはゆき】を思い出したいですね。

したっけぃ

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

View Comments

  • 厚岸は、7年前のツアー中、海岸の眺望の良い高台の「道の駅厚岸グルメパーク」で、夕食(魚介類浜焼)を摂ったので記憶にあります。
    ヒグマに犬の散歩中襲われ、重傷を負った女性は、さぞかし恐ろしかったでしょう。
    “あさはゆき” 、遭遇した際の注意点は理解していても、その場面に直面したら、実行することはむづかしいと思います。モーリーさんが知床の母と同行中、道路でヒグマに遭遇した際の冷静な対処法は理想的ですが、未経験だと、無理でしょうね。
    まず、慌ててしまう、(騒がないのはできそうですが)、走って逃げたくなるし、ゆっくり下がるのも困難かと……ましてや、背後や側面から突然襲撃されたら、防禦の暇もなく、パニック状態になってしまうことでしょう。
    標茶に近いので、OSO 18(その仔)の可能性はないのでしょうか。

    • ミウル様、コメントありがとうございます。
      厚岸のグルメパーク、美味しいですよね。私もここでカキフライ定食を食べたことがあります。厚岸といえば牡蠣ですので。

      「あさはゆき」いざとなったら実践は難しいかもしれません。
      ただ、ヒグマと遭遇した時の心構えとして羅臼の子供までが学んでいますので、私たちも知識として頭に入れておきたいところです。

      OSO18及びその家族の可能とのことですが、もちろん可能性はあると思います。
      ただOSO18自身の可能性は低いと考えています。
      なぜならオソツベツにおいてOSO18は人目につかない行動を一貫してとっているからです。一方、今回は自ら人を襲撃するという行動をとっているので普段のOSO18の行動とは違いを感じます。
      ただし、今回は自ら犬の散歩中の人を襲っています。ひょっとしたら、犬の存在がOSO18の存在をなんらかの形で刺激して人を襲撃した可能性も想定はできます。

      なお、OSO18の家族や一族である可能性となると高くなるといえます。一番腹が減る7-8月を牛でしのぎ秋を迎えてさらに肥えるOSO18。
      オスで10-14歳であるOSO18は近隣のヒグマの中でも栄養豊富で繁殖においても有利な立場であると考えられます。ですので、今回の襲撃事件はOSO18の子供の犯行である可能性は高いと考えています。
      ちなみに、OSO18推定体重は280~320キロ、体長は2.0~2.1メートル、年齢は10~14歳と推定されています。
      では、健康第一でお過ごしください。