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事故記録 2021.7北海道福島町ヒグマ襲撃事件 ヒグマと共存していた町で事件が起こった理由

2021-07-05 No.772

どうも、北海道十勝のハンター モーリーです。

北海道道南の福島町において
ヒグマによると思われる
凄惨な事件が発生しました。

ここ一月の間にヒグマ関連の事件が連続しています。

札幌市街地では出没し人を襲撃、
知床では飼い犬が襲撃され、
旭川市内でも出没、
そして福島町では死亡事件まで発生してしまいました。

故人へのご冥福を深くお祈り申し上げます。

 

 

福島町での事件概要を整理します。

 



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事件概要

日時:2021年7月1日-3日

場所:北海道福島町白符の山林。福島町は函館市から南西70kmほどの人口4300人ほどの漁業が基幹産業の町。事件現場は海岸沿いを走る国道228号沿いの漁業地区で、福島町役場から南に1・2キロの山林。高齢化による人口減少のため空き家も多い静かな地区。

内容:
7月1日、北海道福島町白符の77歳女性が朝からジャガイモやカボチャなどの野菜を育てるためいつものように畑作業に出かけた。夕方になっても帰宅せず家族や知人らが畑周辺の捜索するも見つからなかった。

7月2日9時頃 女性の近所の住民が「知人が昨日から帰っていない」と松前署に捜索願の届出を出す。

同日10:20頃 警察や町役場の職員が畑から20-30mほどの山林で両脚を見つける。その後、ササ藪の中で性別不明の変死体が発見された。遺体は顔などが判別できない損傷で現場には遺体や衣服が散在していた。また、遺体にには引きちぎられた跡があり、見つかったのは遺体の6割ほど。付近にはヒグマの糞があり、強い獣臭もし、クマの巣穴らしき場所も発見された。

北海道警察松前署は遺体の外傷からみてヒグマに襲われた可能性が高いとみて調べを開始。また、町が地元猟友会に出動を要請した。

7月3日 町が依頼した猟師が一人現場を捜索した。北海道警察のヘリコプターも上空からヒグマを探したが、新たな情報は得られなかった。

7月5日 札幌から専門家が福島町に調査に入る。該当するヒグマは今だ見つかっていない。(2021.7.5 14:00現在)

 

関係者の話

町や周辺の住民の話

町「4月以降、箱わなにかかるなどしたヒグマを2頭駆除した。」

住民「クマがいることは日常の一部みたいなもの。目撃しても通報することはほとんどない」

住民「このあたりで人がクマに襲われたのは初めて聞きました。気持ちが悪いです。山のすぐ近くに家があるのでとても怖い」

住民「クマに襲われるという被害は町内では聞いたことがない。町民には厳重な警戒をしてほしい」

住民「一月ほど前に近くでシカが殺されたため、猟師によりヒグマ1頭が駆除された。しかし、死んだのが子熊で、親熊が凶暴になっているかもしれない。」

 

専門家の話(酪農学園大学佐藤喜和教授)

「過去の事例からしても人を襲ったクマは、繰り返し襲う恐れがある」と危険性を指摘。

原因については、「人を見たら避けるクマが多い中、人が被害にあうことは珍しい。詳しい原因は分からない。人を襲うために出てきたのではなく、偶然、遭遇してしまった可能性もある。」とする。

付近の住民に対しては、「裏の森林にクマが生息していると意識し、現場付近を早朝や夜に出歩くのは避け、畑などの作業は音を出しながら複数人で行ってほしい」と語る。

 

 

参考サイト:
環境省 野生鳥獣の保護及び管理 クマに関する各種情報・取組

 



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ヒグマと共存していた町で起こった事件の謎

[2017.8北海道知床 川でサケ(おそらくカラフトマス)を取るヒグマの様子 ※ヒグマ参考画像]

上記の住民の話の中で気になる内容があります。

以下に列挙します。

住民「クマがいることは日常の一部みたいなもの。目撃しても通報することはほとんどない」

住民「このあたりで人がクマに襲われたのは初めて聞きました」

住民「一月ほど前に近くで(ヒグマによって?)シカが殺されたため、猟師によりヒグマ1頭が駆除された。しかし、死んだのが子熊で、親熊が凶暴になっているかもしれない」

 

住民の話を読むと、
福島町ではヒグマの目撃は
日常的なことであったことが伺われます。

つまり、
福島町は人とヒグマが共存できていた町
といえるようです。

人が襲われたことは
今在住している住民にとっては
初めてとのこと。

住民が高齢者が多いことを考えると
ここ60年近くは同町でヒグマによる
被害が起こっていないことを示唆しています。

気になる話として、
一月ほど前に親子熊のうち
子熊だけを猟師が駆除して
母親熊を駆除できなかった事例が
住民の話として上がっています。

報道されたニュースの中の一つで
真偽のほどは確認できませんが、
この話が事実であれば、
母親熊が人間に対し
強い憎しみを持っていることが推測されます。

上記住民の話では
このヒグマ襲撃事件は私たち猟師の
駆除行動が引き起こしてしまった
可能性も考えられることが示唆されています。

 

ヒグマの撮影をライフワークとして
ヒグマの生態を非常に詳しく知る
知床の母ことO氏は
「ヒグマはとても愛情深い生き物だよ。人間以上に家族への深い愛情を持っているよ。その一方、慎重で執念深いところもある。」と語ります。

子熊を殺された母熊による人への
復讐劇ともいえるのかもしれません。

関連記事:
探検@知床 知床の母との出会い ヒグマとの遭遇距離4メートル

ちなみに、
ヒグマを専門とする写真家たちは
専門の学者並み、それ以上に
現場のヒグマの生態を詳しく知っています。

現場のヒグマの生態を知らずして撮影はできないからです。

 

なお、今日、7月5日に専門家が
現地入りして詳しい調査に入るとのこと。

なぜ、数十年もヒグマによる
被害が発生していない
福島町において、
今回の事件が発生したのか。

調査結果を待ちたいと思います。

調査結果の内容が把握できましたら
このブログで共有できればと思います。

 

 



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道南の自然

北海道道南は自然豊かな土地です。

海が近く起伏が多い土地なので、
畑地としての利用価値は低いことから
大規模な土地開発は行われず
漁業が基幹産業の市町が多い印象です。

上記動画は福島町の隣町である
知内町を中心とした道南の土地に
ついて色々と紹介している動画です。

私の友人がやっているチャンネルです。

よろしればご訪問ください。

 

したっけぃ

熊撃退スプレーです。一度誤って僅かに浴びたことがありますが、僅かに浴びただけでも皮膚が痛い、間違って目をこすったら目が痛くて開けられないなど本当に効果があります。

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。