2023-08-22 No.1028
どうも、北海道十勝のハンター モーリーです。
残暑お見舞い申し上げます。
ここ数年、北海道道東の標茶町を中心に60頭以上の牛を襲撃していたヒグマ『OSO18』が駆除されました。
2023年7月30日に釧路町で地元猟師に駆除されていた、とのことです。
詳しい状況は分かりませんが、わかる範囲で報告します。
関連記事:
事故記録 コードネーム”OSO18″の衝撃 巨躯で強く賢く忍者のように闇に潜むヒグマ
なお、上記記事でOSO18を巨躯と記していますが、過剰な表現でありそれほど大きな個体ではありませんでした。
過剰な表現になってしまいましたこと、お詫び申し上げます。
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2019年夏頃から標茶町オソツベツ地区を中心にして乳牛などのヒグマによるとみられる襲撃被害が報告されていました。
2023年8月までに66頭の牛の被害が報告されています。
オソツベツ地区において襲撃したとみられるヒグマの足跡があり、その横幅が18cmあったことから
“OSO18”
という名称で呼ばれるようになりました。
関連記事:
【事故記録】2019.8北海道標茶ヒグマ連続ウシ襲撃事件
7月30日に標茶町に隣接する釧路町において、一頭のヒグマが駆除されました。
大きさ:2.1m
体重:330kg
性別:オス
大きい方だと思います。
特に7月はヒグマたちが最も餓死しやすい時期なので、この時期に330kgあるということは大きい個体と言えます。
余談ですが。2021年5月には北海道十勝において470kgのヒグマが駆除されています。
そのことを考えるとOSO18のサイズは大きいものの極端に大きいという訳ではないことが分かります。
関連記事:
北海道ではヒグマの駆除がつづく 十勝足寄町で467kgのヒグマも
釧路町は釧路湿原国立公園を含み、都会である釧路市と太平洋が隣接する町です。
国立公園内では我々は原則的に猟銃を扱えません。
7月30日に駆除された個体が具体的にどの場所で駆除されたのかは分かりません。
ただ、標茶町でウシを襲い栄養を摂取し、隣接する国立公園へ移動して休んでいたとしたら、頭が良い個体であると感じます。
なお、オスのヒグマの行動圏は一日100kmとも言われているので標茶町から隣接する釧路町への移動は容易だと思われます。
ちなみに、メスのヒグマの行動圏は数キロと言われています。
オスとメスでその行動範囲はまったく違います。
釧路町で駆除されたヒグマの毛をDNA鑑定した結果OSO18であることが分かりました、という報道がありました。
ただ、鑑定の最終的な結果報告はまだこれからのようです。
ひょっとしたらOSO18の子供や孫の可能性もあるのかなと思っています。
ヒグマにとってもっとも食糧の少ない7-8月にかけて人里近くで牛を食べてきて栄養を摂取してきたOSO18。
秋になり山に食料が増えてくると人里を離れ山で食料を得ることで、栄養や縄張り的に交尾の相手を見つけやすい個体に仕上がっていたのかなと推測します。
多くの子孫を残しているはずです。
なお、ヒグマの繁殖期は6月から7月です。
OSO18の特徴は頭の良さです。
頭の良い個体が道東を中心に増えていると考えられます。
今後の道東における酪農被害に要注意です。
上記の看板は標茶町オソツベツ川の看板です。
昨年の10月にOSO18を探しに来た時に撮影したものです。
10月になるとOSO18は山に帰るので、出会えませんでした。
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標茶町を中心に多くの乳牛が襲撃され、酪農家の被害も甚大なものでした。
今回の駆除個体がOSO18であったとしても、今後はOSO18の頭の良い子供や孫が増えている可能性もあります。
標茶町を中心に今後数年は警戒が必要だと感じています。
また、2021年4月には標茶町隣の厚岸町においては山菜採りに来た男性がヒグマに襲撃され死亡した事件の個体も駆除されたという話も聞いていません。
関連記事:
事故記録 2021.4北海道厚岸町山菜取りヒグマ遭遇死亡事故 事故概要と冬眠明けのヒグマのエサ
道東での山菜採りや酪農はまだまだ警戒が必要な状況のようです。
なお、以下のサイトはヒグマについて知るためには素晴らしいサイトですの紹介しておきます。
参考サイト:
OSO18がいなくなり、一抹の寂しさを感じます。
個人的にひっそりとイヨマンテ※で送りたいと思います。
※イヨマンテ:
アイヌ語でイ【それを】・オマンテ【返す】の意。狩猟などで獲ったヒグマの魂を神の国へ送り返すお祭り。
したっけぃ
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OSO 18と思われるヒグマが捕殺されて、66頭の牛が襲われ、32頭が亡くなる被害を被った酪農家は一安心したことでしょう。2019年7月の最初の襲撃から4年、ハンターの追跡をくぐり抜け逃亡を続けたが、あっけない終幕でした。
体毛のDNA検査で固体が一致して確定したとの発表。7月30日に釧路市南部で捕殺後、検査に時間を要し、発表が遅れたようです。また、前足の幅が20㎝あったとのことで、巨大だと言えるでしょう。
推定330Kgは、体重からは巨大熊とは言えず、痩せており、手足に皮膚疾患があり、顔に4か所傷があったとのこと。
牛の角で反撃され、手負いで獲物を得られず、痩せたのでしょうか。
擁護するわけではありませんが、ゴーストとして、不明のままの方が、伝説が語り継がれたことでしょう。
モーリーさんの言うように、一抹の寂しさを感じます
ミウル様、詳細コメントありがとうございます。
オソがいなくなり寂しいですね。
【牛は襲っても人は襲わない】
オソなりにヒグマとヒトの関係にルールを設け、そのルールを遵守していた興味深い個体だったのかもしれません。