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【事故記録】2018.8北海道砂川市猟銃所持許可取り消し事件 その2 当事者インタビュー

2020-05-25 No.607

どうも、
SMAPで言えば新しい地図が好きな
北海道十勝のハンターモーリーです。

 

2018年8月に北海道砂川市において
ヒグマが出没し地元猟友会が駆除しました。

その駆除の後、駆除に従事した猟師の
猟銃所持許可が取消される事案が発生しました。

2020.4.5に
ヒグマ駆除従事者猟銃所持許可取消事件
として記事を書きました。

【事故記録】2018.8北海道砂川市猟銃所持許可取り消し事件 その1 そして裁判へ

 

多くの方に読んでいただき、
当事者の方からも連絡をいただき、
直接話を聞くことができました。

ありがとうございます。

当初この事件は、
同じ猟友会の中でのいざこざと
警察と公安、自治体の無理解が
原因による些細な事案だと思っていました。

しかし、今は、この事案を
狩猟や駆除をする猟師の姿勢やあり方が
問われる重大な事件なのかもしれないと感じています。

そして、世間で言われるような
単なる警察や公安、自治体による
馬鹿げた措置ではないと感じています。

2018年8月、北海道砂川市において
猟銃所持許可取消処分を受けたA氏と
共にヒグマ駆除に従事した
B氏の話を紹介します。

 



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事件概要

 

日時:2018年8月21日

場所:北海道砂川市

内容:
砂川市からの要請で地元猟友会の2名がヒグマを駆除。
砂川市役所職員1名と警察官1名が立ち会う。
その際、A氏による安全確認を怠った発砲があった可能性があり、B氏の銃にA氏の跳弾が当たり破損。
色々あり翌年の2月、B氏がA氏を警察に告発し、検察は不起訴とするも、北海道公安委員会が違法性を認定。
A氏の猟銃所持の許可が取消されるも、許可取り消しを不服として行政不服審査を申し立てるも棄却。
一方、狩猟免許を出す北海道や駆除従事者を出す砂川市は不問。
A氏は「善意の市民をいたずらに処罰しており不当な処分」として、裁判へ。

人物:
A氏:ヒグマ駆除に参加。北海道猟友会砂川支部の元支部長で猟銃所持許可の取消しを受けた人物。塾運営。元砂川市議会議員で、市長選挙にも立候補した経歴がある。
B氏:ヒグマ駆除に参加。同支部の砂川部会長。40年以上のベテランハンター。

【事故記録】2018.8北海道砂川市猟銃所持許可取り消し事件 その1 そして裁判へ

 

 

 



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B氏の印象

2020.5.15
このブログの問い合わせから
連絡がきました。

2018年の砂川市のヒグマ駆除に
従事した2名の内一人である
B氏の関係者から
B氏が連絡を取りたがっていると。

ブログの内容に事実誤認があるため
修正してほしいとのこと。

テキストに残るメールでのやり取りが
望ましいと思い、
メールアドレスを送りましたが
メールが苦手とのことで電話での対応を希望してきました。

地元の猟友会の先輩たちは
見た目ヤクザ、口調もヤクザ、
心根は時々優しい、そんな先輩たちも中にはいます…

正直、
電話対応はガミガミ言われるだけで
億劫だなと思いましたが、
電話番号もお伝えいただいたので電話しました。

B氏の声ははっきりとしており
話の内容はまっとうなものだと感じ、
駆除現場の状況とその後の話も
B氏からの視点で説明していただきました。

B氏の印象は、
自分の腕と経験に自信のある猟師で
一方的に話をするタイプだが
話の内容に齟齬が少なく頭が良い印象を受けました。

話から現場の状況もおおよそ伝わってきました。

 

A氏サイドの話は
A氏の関係者がつくったブログ
ブログ「有害駆除やってらんないよ」
にある程度記載されています。

双方の視点から
現場とその後の状況が伝わってきました。

 



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B氏の主張

以下、B氏の主張です。
電話で2回合計一時間ほど
話を聞きました。

箇条書きで紹介します。

・警察の明確な発砲命令はだされていなかった

・砂川市役所はA氏の猟銃所持許可取消処分については問題はあったと認識しているが、駆除従事者の資格を取り上げるなどの処置はせずにお咎めなしとしているのではないか

・A氏との二人でのヒグマ駆除はこれまで2-3回

・A氏は北海道猟友会砂川支部の支部長

・B氏は砂川部会長(支部の下部に各部会があり、その部会長)

・無線機は使用しておらず※1、A氏は発砲の合図を出さずに発砲した
※1法律的に猟友会の駆除による無線機利用はグレーゾーン(ほぼアウト)のため、警察や自治体職員が同行している駆除では利用が難しい

・A氏の発砲した弾が跳弾となり、B氏の銃床にあたり、B氏の銃も突然誤発射する

・一歩間違えれば、跳弾がB氏に当たっていた可能性もある

・A氏による安全確認を怠った発砲であったが、警察官が臨場していたため、B氏は同じ猟友会の仲間としてその場を見過ごす

・その後、現場検証があり警察から破損した銃の一部をB氏に渡してくれた

・ヒグマ(子熊)は半矢で、B氏が池上氏に確認の上とどめを刺す

・現場で発砲したのは、A氏の初弾、跳弾によるB氏の銃の誤発射、最後にB氏によるとどめの発射の合計3発

・ヒグマはB氏が引き上げて、市職員に渡す

・帰宅後、銃床の破損を確認しA氏の家に訪問し相談する

・B氏の銃の破損は自ら付けたものとA氏は主張

・副部会長がハンター保険の担当のため、副部会長にも連絡

・A氏からお金を渡されるもB氏は受け取り拒否

・破損した銃はB氏の保険で修理

・謝罪一つないA氏の理不尽に怒り、B氏は警察へヒグマ駆除の際のA氏の安全確認を怠った発砲(銃床に跳弾が当たった件)について報告

・警察と公安委員会にはB氏の知っているすべてを話している

・警察では何度も取り調べを受けにいった

・警察には自分に不適切な行為があるならいつでも処分してくれと伝えている

・B氏がA氏に過大な金銭を要求しいてると、猟友会に噂が流れている

・B氏抜きの猟友会の会議が開催され話がすすみ、B氏は猟友会を退会させられた

・B氏は猟友会を退会させられたため駆除に参加できない

・A氏は猟銃所持許可取消し後も、銃無しで駆除に参加

・A氏は元市議会議員で市長選挙に立候補した地元の有力者で反対できる者がいない

・A氏は塾をやっており、塾生が地元に沢山おり影響力が強く、砂川市役所にも元生徒がおり顔が利く

・ブログ「有害駆除 やってらんないよ!」がA氏の元生徒によって立ち上がる

・ヒグマ駆除に参加して跳弾により銃を損傷させられた被害者なのに、猟友会も退会させられ憤りを感じる

 

B氏の主張はまだ沢山ありましたが、
簡単に列挙できるものを箇条書きしました。

電話通話を録音しているので、
箇条書きを追加していく予定です。

 

論点は色々ありそうですが、
一番の論点は
A氏の発砲した弾が跳弾となり、
B氏に向かって飛んできたと
主張している点だと思います。

つまり、B氏がいる方向に
A氏が発砲した可能性を示しています。

事実ならば、安全確認を怠った発砲であるといえます。

公安委員会が違法性があると判断したのはここかなと思います。

ただ、この点は争点なので、
A氏の主張とB氏の主張は食い違いがあります。

A氏はB氏の銃の損傷は
B氏自身がつけたものだと主張しているようです。

 

 



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砂川市へ

今月末に札幌に行く際に
砂川市に寄り道して
B氏に現場を案内していただくことになりました。

現場を見ると、印象もまた変わるかもしれません。

現場の様子も撮影してこようと思います。

その際は、現場の様子を紹介します。

できれば、A氏の話も聞いてみたいところです。

 

 

猟師の姿勢

[北海道の狩猟者記章]

B氏から以下のブログが
良いことを言っているとすすめられました。

内地の猟師のブログらしいのですが、
私のブログと違いしっかりとした
構成のブログです。

 

ブログ「チカト商会」
猟師『プロハンター』の存在意義を、2018年に北海道で起こった『市の要請でヒグマを駆除→ライフル銃取消し』事案から考えてみた

 

内容は、
発砲する最終的な責任は
警察や役所にあるのではなく
猟師一人一人にあるのだと主張しています。

猟師の姿勢として
発砲によるすべての責任はその猟師自身ににある。

だからこそ、
私たち猟師はプロ意識を持って
狩猟や駆除に当たらなければならないのだと。

獲物が目の前にいても、
「その方向にひょっとしたら
人がいるかもしれない」、
故に引き金を引かない。

猟師たちは銃という恐ろしい武器を
手にしていることに慣れてしまい、
簡単に考えているのではないだろうかと。

そういうプロとして持っているべき
当然の心構えをA氏は
持っていなかったのではないか?
ブログ「チカト商会」はそう主張しています。

銃を持つ以上、
1年生ハンターであったとしても
50年の経験があったとしても、
同様にプロハンターの意識を持って
狩猟や駆除に望むべきであろうと。

「初心忘るべからず」ですね。

 

しったけぃ

 



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非常事態宣言が終わったばかりですが、北海道でのコロナ被害はほとんどが札幌です。

道東の釧路や知床、十勝などは被害は少なったのです。

札幌などの道央を避けていただければ、北海道観光は十分に可能だと思います。

よろしければ、北海道まで観光に来ていただけたら嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

モーリー

東京からUターンして、2015年から北海道で狩猟しています。趣味は旅、料理、読書、アニメなど。仕事は元絵描きで環境調査、インバウンドなど。 ブログは狩猟を軸に、自然と人の折り合いのつけ方、本質的な豊かさの模索をテーマにしています。

View Comments

  • 認知症を発症している高齢ドライバーによる事故が多発している昨今、猟銃保持者の年齢も大変気になります。おそらくA,B両者共に70台ではないかという感触ですが、その年では脳の委縮により脳機能、特に感情のコントロールが悪くなっているというのは一般的であり、藪の中を進むのが億劫になる体力の衰えも当然加味され、トラブルの元のなったのではないかと思えます。高齢者の発砲許可取り消しもやむを得ないと思えます。

  • B氏は銃床が壊れた状態でクマにとどめを刺した?
       銃を二本持ち込んでいたの?
    壊れた銃で発砲ならこれはこれで問題では?

    あともう一点A氏の猟師歴は何年か触れないのは何故?
    B氏の事を40年以上のベテランハンターと紹介しているのに不自然なのでは?

  • 父親がパジェロでしたがライフル持ちのハンターで
    猟期中は毎週末には日高方面へ行ってましたが
    父親やその仲間たちが警察から職質を受けったって話を
    一度も聞いたことがありません。
    地域で警察の対応も違うんですかね。

  • >トニー様
    コメントありがとうございます。
    池上氏のお話もお伺いできれば幸いです。
    しかし、砂川市へはそれほど長い時間の滞在予定はありませんので、今回は見送りさせていただきます。
    ご提案ありがとうございます。